私と統一教会
約20年前の出来事ですが、主に高校生の頃、私は統一教会と様々な接点がありました。
と言っても、統一教会に入信していた訳ではありません。
中学生から高校生にかけての「宗教への接近」「宗教的観念への傾倒」及び「宗教からの離脱」の過程は、私のメインブログで簡潔に述べていますので、そちらをご覧ください。
記憶は多少不鮮明なのですが、以下は統一教会に関する私の体験などをまとめたものです。
1.統一教会からの勧誘
高校2年生のとき、都内で「△△カルチャーセンター」(△△は地名)を名乗る人物から「アンケートへのご協力をお願いします」と声を掛けられました。
そのアンケートの中で、「興味のあるものに○を付けてください」という項目がありました。
音楽、スポーツ及び読書などの単語が並んでいたと思うのですが、その中に「霊魂」及び「霊界」も含まれていました。
当時の私は、そのような宗教的観念に傾倒していたので、「霊魂」などに○を付けたところ、その「△△カルチャーセンター」の事務所に誘われたのです。
その人物と一緒に、「△△カルチャーセンター」に出向いた私は、まず氏名、住所及び電話番号を書かされました。
そして、別室でビデオを見るように言われました。
そのビデオは、「霊魂」及び「霊界」などの観念について講師が講義するような内容でしたが、既に「霊界」などに関する本を読みあさっていた当時の私にとって新鮮な印象を受けるものではなく、「つまらないなあ」と大部分を早送りして(笑)、あまり見ませんでした。
ビデオを見終わった(?)後、「△△カルチャーセンター」の人物2名と話をしました。
その二人は、優しく親しみやすい印象でしたので、私は好感を持ちました。
彼らは、初め「ここは自然発生的に出来た施設」だなどと言っていたのですが、私が「このような立派なテーブル、立派なソファーがあるのに、『自然発生』とは思えない」と疑問を述べたところ、こう言われました。
「『文鮮明』って知ってる?」
そこは、カルチャーセンターなどではなく、統一教会の支部だったのです。
桜田淳子らが参加した統一教会の「合同結婚式」が行なわれたのは、その約3年後だったのですが、私は既に高校の先生から統一教会の悪評について多少聞いており、教祖・文鮮明の名前ですぐに統一教会だと分かりました。
ですが、私に応対している信者の雰囲気に特に危険性は感じず、入信するかしないかの話はしないまま、雑談してからその支部を後にしました。
そのときの信者から、その後時々電話が掛かってきたり、葉書を送りつけられることが続きました。
ですが、その頃の私は宗教に疑問を感じ始めていたので、統一教会に関わる気にはなりませんでした。
当時、臨床心理士のカウンセリングを受けていたことはプラスに作用したと思います。
私の「霊魂」及び「霊界」などへの妄信をむやみに否定せず、「でもこんな見方もある」というような言い方などで、私が自分の考えの誤りに気付くように導いていただいていました。
そして、宗教関係の本には「初めから『霊界は存在する』などの結論ありきで、その存在を証明しようとさえしない」など、共通した「言葉の問題」があることに気付き、また、ジャーナリスト・有田芳生さんの著書などを読んだりして、宗教に対して批判的になっていきました。
「初めは統一教会であることを隠す」「統一教会の教義を説くビデオを見せる」というのが、統一教会の勧誘の常套手段だということも知りました。
高校3年生のとき、考えが変わった私は、信者が掛けてきた電話で、その信者に説教するように話をしました。
「そんな発想はおかしい」と。
すると、それまで穏やかで優しそうだった信者の態度が一変しました。
「自分は熟考に熟考を重ねて、これは正しいと結論を出した」というようなことを言われたのですが、その声の調子が、激しい怒りを抑えているような、私への不信感や憎しみを感じさせるようなものでした。
「自分の存在を否定された」「こいつのために一生懸命勧誘しているのに、こいつはサタン側に行った」とでも思われたのでしょうか…
「やっぱり、統一教会って怖いなあ」と痛感した出来事でした。
その後、その信者からの連絡は無くなりました。
2.統一教会の信者からの脅迫
やはり高校1年生か2年生のときだったと思うのですが、知り合った不登校関係の仕事をしている男から、「学生時代に街を歩いていたら声を掛けられ、ビデオを見た。そのビデオには、再臨したキリストが映っていた」と言われたことがありました。
私は、その男が運営する「不登校の青少年を対象としたフリースクール」に通ってはいませんでしたが、そのフリースクールに通っている生徒が私の高校に在籍しており、そのうちに、その男のある発言を伝聞しました。
「再臨した救世主は韓国に居る」と。
その男が統一教会の信者だと確信した私は、その男のフリースクールに通っている生徒に、「あの男は統一教会だから、もう行かない方がいいよ」とアドバイスしました。
すると、私の自宅に、その男から脅迫電話が掛かってきたのです。
「お前を名誉棄損で訴えることにした。覚悟しておけ」と。
一方的に怒鳴る電話を、私は最後まで聞かずに切りました。
高校3年生のときの出来事だったと思います。
もちろん、実際に訴えられることなどありませんでした。
しかししばらくしてから、私と同じ高校の生徒で、その男のフリースクールに通っている非行少年(と言うより、「チンピラ」という表現がピッタリでしたが)から「ちょっと来い!」と言われるなど、更に怖い思いをしました。
その場は逃れることができたのですが…
その後、伝え聞くところによると、その男は「今度邪魔してきたら訴えてやる」だなどと言っていたようです。
また、「相談に来た不登校の子供の母親に関係を迫った」など、複数の女性に関する問題も。
「カネは、有効に活かせる人間(自分)の所に集まるのが良い」だなどという発言などから、カネへの強い執着があったことも分かります。
「女性」と「カネ」のことしか考えない人間だったのでしょう。
まさに、「ミニ文鮮明」です。
私が脅迫されてから間もない時期に、その男は、NHK及び読売新聞で取り上げられていました。
「登校拒否の子供を立ち直らせる人」として。
その男は、現在も不登校関係の仕事を続けています。
不登校に関する本を出版してもいます。
おかしな主張が多いので、初めは騙されても、すぐに問題に気付くと思いますが…
もっとも、不登校関係団体には、他にも問題のある所が少なくないようです。
その詳細については、私のメインブログ「不登校・ひきこもり」で述べましたので、よろしかったらご覧ください。
3.統一教会の信者との意見交換(?)
大学生になってからも、私は街で時々「△△カルチャーセンター」から「アンケート」に協力するよう声を掛けられました。
あるとき、「統一教会でしょう」と私が言うと、その信者は「違います」「もう結構です」と動揺を隠せない様子で言って立ち去りました(笑)
しかし、しばらく歩いた私がふと後ろを振り返ると、少し離れた位置に、その信者が立っていました。
私を尾行していたのです。
その後も、統一教会の何人かの信者と街中で数回議論することがありましたが(笑)、当然彼らの考えを変えることなどできませんでした。
彼らには、議論又は説教ではなくカウンセリングが必要なのでしょう。
4.現在の統一教会
統一教会に関するニュースは、最近あまり伝えられることはありませんが、霊感商法という違法行為を現在も続けているようです。
韓国で、プロサッカーリーグ「Kリーグ」所属のクラブチーム「城南一和」を運営する「一和」は統一教会系企業で、城南一和のオーナーである統一教会幹部はKリーグの会長でもあるとのことで、驚くべきことです。
また、日本では、信者獲得のために自称「スピリチュアル・カウンセラー」江原啓之の録画を利用しているとか。
ジャーナリスト・有田芳生さんのブログによると、「合同結婚式」は今月も行なわれたそうです。
有田さんのWEBサイトで統一教会に関するページがありますので、よろしかったらご覧ください。