橋下徹の詭弁に騙されないために、橋下徹の著書が役に立つ!(3)


橋下徹の今日の記者会見も、案の定、詭弁を弄した見苦しい自己正当化でした。


今日の時事通信の記事より。

 日本維新の会橋下徹共同代表(大阪市長)の日本外国特派員協会での会見要旨は次の通り。
 【冒頭発言】
 日本兵慰安婦を利用したことは、女性の尊厳と人権をじゅうりんする決して許されないものだ。日本は過去の過ちを真摯(しんし)に反省し、慰安婦の方々には誠実な謝罪とおわびを行うとともに、悲劇を繰り返さない決意をしなければならない。
 世界各国の兵が戦場で女性を利用してきたことは厳然たる歴史的事実だ。「戦時に世界各国の軍が女性を必要としていた」と発言したところ、私が容認していると誤報された。
 日本の過ちを正当化してはいけないことを大前提に、世界各国も(慰安婦問題に)「セックススレイブ(性奴隷)」というレッテルを貼って日本だけを非難することで終わってはいけない。
 在沖縄米軍に風俗業利用を勧めた自らの発言は不適切な表現であり、撤回する。米軍と米国民におわび申し上げる。
 一部の心ない兵士の犯罪により、日米の信頼関係が崩れることのないように米軍の綱紀粛正を徹底してもらいたいとの思いが強すぎ、不適切な表現を使った。日本の法律で認められていない売春・買春を勧めたとの誤報につながった。

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013052700803


最初の発言の翌日の14日、「批判の急先鋒に立つ朝日新聞も、僕の発現を比較的正確に引用してくれていた」「毎日新聞も僕に対する批判の急先鋒だが、かなりフェアに発言要旨を出している」などとツイッターに書き込みを行なったのに、17日になって一転「大誤報をやられた」「日本人の読解力不足だ」などと、マスメディアだけでなく、「橋下を批判する全ての日本人」への責任転嫁を始めたのです。
https://twitter.com/t_ishin/status/334055843295272962
https://twitter.com/t_ishin/status/334086571651391490
http://mainichi.jp/select/news/20130518k0000m010093000c.html


なぜ橋下は臆面もなく詭弁および前言撤回を連発するのか。
前回までの記事でも取り上げましたが、その答は、やはり橋下自身の著書にあるようです。


赤旗の記事(2012年8月23日付)より。

「嘘は政治家の始まり」

 「大阪維新の会」の地方議員や公募区長らに、物議をかもす言動が多いのはなぜか。

 取材をすすめると、橋下徹大阪市長その人に根源があるのではないか、との思いが強くなります。橋下氏を最初に政界にさそった自民党関係者は「義理、人情、恩返しという(保守)政治家の基本を忘れた、ドライなやつだ」と証言します。

権力欲の手段

 証言によると―。2007年10月の大阪市長選の際、「自分は出る筋合いはない。東国原でも(宮崎県)知事なのに」といって要請を拒否。その後、08年知事選に出馬し、当選すると自民党と距離を置き、民主党みんなの党などの有力政治家に近づいたといいます。

 橋下氏が駆け出し弁護士だった時代の法律事務所所長は「純粋な弁護活動よりカネに執着が強い印象だった」と証言。弁護士会に紹介された依頼人から着手金を高くとったために、弁護士会副会長から電話で注意されたとき、「なぜいけないんですか」と食って掛かったのが印象的だったと語ります。

 橋下氏の著書『まっとう勝負』ではこんなくだりも。「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。…自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければならないわけよ」「ウソをつけない奴は政治家と弁護士にはなれないよ! ウソつきは政治家と弁護士の始まりなのっ!」

http://www.jcp.or.jp/akahata/web_daily/html/5bu-ishin/07-ishin5.html


昨日の東京新聞のコラム「筆洗」より。

ありえない比喩による論理のすり替え、相手に考える間を与えないテクニック…。『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』という本に書かれている駆け引きの実践例だ▼日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が十年前に書いたこの本を読むと、弁護士として磨いた交渉術を今も活用していることが分かる。古書店では元値の倍以上の値がつく人気だ▼自分の発言のおかしさや矛盾に気付いた時は「無益で感情的な論争」をわざと吹っ掛けるとあった。その場を荒らして決めぜりふ。「こんな無益な議論はもうやめましょうよ。こんなことやってても先に進みませんから」▼橋下さんはきのう出演したテレビ番組で、在日米軍に風俗業の活用を求めた発言について、米軍と米国民に謝罪、発言を撤回する意向を示した。発言撤回に言及したのは初めてだ▼言い負かせば勝ち、という価値観も国内外からの批判に揺らいだとみえる。「(従軍慰安婦が)必要だったのは誰だって分かる」との発言を「その時代の人たちが必要と思っていたと述べた」とすり替え「日本人の読解力」やメディアに責任転嫁した。これらの発言も撤回すべきだろう▼弁護士時代のように、感情的な議論を吹っ掛け、「無益な議論はやめましょう」とはごまかせない。すべて自らがまいた種だ。頼みにする「ふわっとした民意」が逃げてゆく。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013052602000137.html