橋下徹の詭弁に騙されないために、橋下徹の著書が役に立つ!(2)


日本維新の会共同代表・橋下徹は、「タレント弁護士」であった8年前、「図説 心理戦で絶対負けない交渉術」と題する著書を出版しています。
http://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%AA%AC-%E5%BF%83%E7%90%86%E6%88%A6%E3%81%A7%E7%B5%B6%E5%AF%BE%E8%B2%A0%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E4%BA%A4%E6%B8%89%E8%A1%93-%E6%A9%8B%E4%B8%8B-%E5%BE%B9/dp/4537253290/ref=cm_cr_pr_product_top


その表紙には、「言い訳、責任転嫁、あり得ない比喩、立場の入れ替え、前言撤回 どんな相手も丸め込む48の極意! 思い通りに相手を操る非情の実戦テクニック!!」との記載があります。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4537253290/ref=dp_image_text_0?ie=UTF8&n=465392&s=books


橋下の言動を注意深く見ていると、彼は「心理戦で絶対負けない」ことを非常に重視しており、「言い訳、責任転嫁、あり得ない比喩、立場の入れ替え、前言撤回」を駆使していることが分かります。彼にとって、政治とは「思い通りに相手を操る」ことなのだろうと思います。
そのような橋下の危険性を、私は何度も指摘してきました。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%B6%B6%B2%BC%C5%B0


前言撤回は、橋下にとって日常茶飯事です。
彼の数々の「前言撤回歴」をまとめたWebページがありますが、これでも恐らく「ほんの一部」に過ぎないのでしょう。
http://matome.naver.jp/odai/2134197126906542701
http://matome.naver.jp/odai/2133998403864053701


その橋下の前言撤回が、またひとつ増えました。


昨日の朝日新聞より。

日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は20日、17日に「やめる」と表明した囲み取材を再開した。「市長を辞めるまで受けないわけにはいかない。期間があくと、(再開に)自分のメンツを気にしていろんな理由をつけなければならない。早く再開してしまった方がいいと(思った)」と理由を説明した。

http://www.asahi.com/politics/update/0520/TKY201305200388.html


今日の日刊ゲンダイより。

「論点ずらし」「責任転嫁」7連発 橋下市長“天賦の才”
絵に描いたような無節操
 橋下徹大阪市長が20日、一度は「やめる」と宣言していた囲み取材を再開した。「日本人がこれだけ(従軍慰安婦に)意識を持つことになったので、いい方向に向かっていけばいい」と何か良いことをしたかのような言い草だ。

 そもそも、「従軍慰安婦は必要だった」「在沖縄米軍の風俗業の活用を」と失言し、批判されたのは自分の責任。しかし、橋下市長は「今回はもう、大誤報をやられたんでね」とマスコミに責任を転嫁していた。

 橋下はもともとそういう人物だ。論点のすり替えにかけては天賦の才がある。旗色が悪くなれば話を微妙にずらし、時には平気でウソもつける。これを世間では支離滅裂とか屁理屈と呼ぶが、と〜っても柔軟性のある政治家なのだ。

 そもそも、大阪府知事選への出馬を「2万パーセントあり得ない」と否定したのに、わずか数日後の出馬会見で「ウソと言えばウソだった」と言える。変幻自在ぶりは舌を巻くほどで、大飯原発の再稼働も断固反対の立場だったのに、先の衆院選で「建前論ばかり言っても仕方ない」とあっさり変質している。

 国歌斉唱で先生の口元までチェックするのはおかしいと質問されれば、「国歌斉唱は誰が誰に命じたものですか。言ってみなさい!」と逆質問で切り返す。

<はぐらかし論法は昔から>

 維新選出の府議や市議が、政務調査費でダイソン掃除機7万4800円やエアコン8万4000円を購入したことが発覚すると、「選挙活動に使う横断幕まで規制するルールはおかしい」と問題点を変えて切り抜けている。

 大阪の高校のバスケ部員が自殺した問題も当初は、「正直、僕はクラブ活動の中でビンタをすることはあり得ると思っている」と答えていた。橋下が最初に所属した樺島法律事務所の樺島正法弁護士(神戸学院大教授)がこう言う。

「出会ってすぐは誰にでも愛想がよく、私にも〈妻と乳飲み子がいて生活が大変なんですよ〉なんて陽気に話していた。論点をずらして話をはぐらかすやり方は昔からで、不幸な生い立ちをしてきたからか、逆に従軍慰安婦のような弱者を憎んでしまう。〈自分は努力で這い上がってきた〉という自負が屈折した形で出てしまうのでしょう」

 ホステスとのコスプレ不倫疑惑では、「家庭内のことですから」のフレーズを17回も連発。こんな人物が政党の顔だというのだから、海外の人から日本人はヘンだと思われるのも仕方ない。

http://gendai.net/articles/view/syakai/142465


弁護士・伊藤和子氏のブログより。

知らない人はもういないが、5月13日、橋下徹大阪市長日本維新の会共同代表は、第二次世界大戦中の「従軍慰安婦」は「必要だということは誰でもわかる」などと述べ、2007年の第一次安倍内閣閣議決定に言及しつつ、「日本政府自体が暴行脅迫をして女性を拉致したという事実は今のところ証拠に裏付けられていません」とも述べた。

さらに、性犯罪が続く沖縄の在日米軍に関連して、沖縄米軍の司令官に対して「日本の風俗業を活用してほしい」とも発言している。

橋下氏は、「慰安婦に配慮を」などと言ったり、在日米軍に対する発言については「国際感覚がなかった」などと弁明を繰り返しているが、発言の根幹は撤回していない。

最近では「誤報だ」などと言ったと報道されているが、5月13日の登庁時、退庁時のぶらさがりやその後の会見の一問一答がシノドスに公開されていて、「必要だ」と何度も繰り返していることは否定しようがない。最近では、「英語力のなさから誤解を生じさせた」と言っているが英語力の問題とは関係ないし、誤解と言ってごまかせるものではない。抗議・非難が殺到するのは当然というほかない。

(中略)

戦時下におけるレイプ、性奴隷制、強制買春は、国際刑事裁判所ローマ規程7条に明記されている通り、「戦争犯罪」を構成する最も深刻な国際犯罪のひとつであり、第二次大戦当時の国際法にも明らかに違反するものだった。「従軍慰安婦」制度が、国際法に違反する、女性に対する深刻な人権侵害であり、いかなる意味においても正当化・合理化できないことは国際常識であり、それはホロコーストについていかなる正当化も許されないのと国際的にはほぼ同じように理解されている。

橋下氏の発言は、かくも重大な人権侵害である戦時性暴力を「必要だった」と容認することであり、筆舌に尽くしがたい思いをされてきた被害者の方々を再び深く傷つけるものであり、到底許されない。

また、沖縄に関する発言は、戦争遂行・軍の維持のためには女性が性的暴力・性的搾取の対象となってもよいと積極的に推奨するに等しく、「慰安婦」が必要だったという発言と根底にある発想は全く変わらない。女性は今も昔も男性の性処理のはけ口として「活用」されるべき存在だと言う女性蔑視ではないか。

橋下氏は反省したのか、国際世論に驚いたのか、日々発言を転々させているが、一度口にしたことは否定しようがない。

橋下発言に誘発されて西村衆院議員がさらに許しがたい発言をしているが、「トカゲの尻尾切り」で済まされるものではない。

こんな女性蔑視の人権感覚の欠如した発言を放置したままでは日本は終わりだと思う。多くの女性たちが求めているとおり、橋下氏は、速やかに発言を全面撤回し、謝罪すべきだ。また、公職を自ら辞任すべきだと思う。

http://worldhumanrights.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-f8f1.html


シノドスでの橋下記者会見の全文文字起こし
http://synodos.jp/politics/3894


橋下徹の詭弁に騙されないためのツイート集」も、ぜひご覧ください。
http://togetter.com/li/505245