なぜ小沢一郎氏は誤解されるのか


小沢一郎氏および小沢氏と共に政治活動を行なう人々は、マスメディアのネガティブ・キャンペーンによって、様々なレッテルを貼られています。
小沢氏には、「政治とカネ」「強権的」「壊し屋」「古い政治手法」「利権政治家」など。
小沢氏と共に政治活動を行なう人々には、「小沢氏の子分」「小沢氏に盲従する議員」「小沢氏のカネが目当てで付いて行く連中」など。
そのレッテル貼りのひとつの典型が、元総理大臣・菅直人氏のブログです。
http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11284645306.html


しかし、そのようなイメージは虚像でしかないようです。
私は、ツイッターおよびブログなどで、多数の「元民主党内の小沢グループ議員」の発信する情報に接して、それぞれが自分の考えをしっかりと持っている人々だと感じてきました。
また、小沢氏が強権的ではなく、組織の意思決定を民主的に行なおうとする様子も伝わってきました。
小沢氏の意に反して、「国民の生活が第一」結党以前に民主党を離党した松木謙公氏および木内孝胤氏は、「小沢グループ」所属議員でした。松木氏は、小沢氏の側近中の側近でしたが、先月の総選挙では「新党大地」から立候補しました。木内氏は、「国民の生活が第一」結党後も「日本維新の会」への入党を模索していたようですが、総選挙間近に「国民の生活が第一」に合流しました。


「古い政治手法」とは何を意味するか不明ですが、議会で多数派を形成して政策を実現しようとすることを否定する意味なのであれば、それは議会制民主主義の否定です。
「壊し屋」のレッテルも、理解できません。小沢氏が党首を務めたいくつもの政党は、他党(新進党民主党および未来の党)と合流したものもありますが、これは「壊した」のではありません。形を変えて存続しているのです。また、新進党民主党および日本未来の党が分裂した経緯も、小沢氏が「壊した」のではなく、小沢氏以外の人物によって「壊された」あるいは複数の要因によって「壊れた」と見るべきで、小沢氏ひとりに原因があると決め付けるのは不当だと私は思います。


生活の党」代表・森裕子森ゆうこ)さんも、レッテル貼りに反論しています。
http://www.youtube.com/watch?v=xURH7p-POFQ
http://www.youtube.com/watch?v=oWD8hUq4LKs
http://www.youtube.com/watch?v=nxnRrQrOeI8


小沢氏は、自らが検察から不起訴とされ、検察審査会制度によって起訴されたが無罪となった「事件」については、民主党の代表および幹事長を務めたときの記者会見および裁判の場で何度も説明したが、その主張の内容は大部分のマスメディアに無視され、「説明責任を果たしていない」と攻撃され続けました。
明らかなのは「書類の記載内容の誤り」だけなのに、マスメディアによって、「その裏に贈収賄などの違法行為がありそうだ」とのイメージばかりが広められてきました。
そのような異常な「小沢叩き」については、このブログで取り上げてきたので、過去の記事をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%be%ae%c2%f4%b0%ec%cf%ba


個別の報道内容について、小沢氏は反論することがほとんどありませんでした。それは、小沢氏の信条に基づく対応だったようです。
https://twitter.com/moriyukogiin/status/283627406307229696
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/286114116672827394
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/286119415655854082
https://twitter.com/aritayoshifu/status/218537641845596160
http://twitter.com/aritayoshifu/status/215614429117685761


「離縁状報道」「日本未来の党分裂騒動」でも、小沢氏は叩かれました。これらについては、関連のツイートのまとめをご覧ください。
http://togetter.com/li/321513
http://togetter.com/li/429673


「小沢氏の子分が、小沢氏のカネを目当てに付いて行っている」との主張も、全くの的外れです。
民主党を昨年離党した「国民の生活が第一」の結党メンバーは、昨年は政党交付金の対象ではなかったため、先月の総選挙で、「日本未来の党」は、資金面でも不利な闘いを強いられました。
理念および政策よりカネを重視するのであれば、一昨年のうちに離党して昨年から政党交付金を得ていたか、民主党に残ったはずです。


先月26日発売の「週刊新潮」の記事によると、総選挙で落選した民主党の候補者も、年間800万円を超えるカネを民主党からもらえるそうです。だから、「小沢グループ」所属でも小沢氏を裏切って、民主党に残った人がかなりいたのでしょう。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20121226/


昨年民主党が受け取った政党交付金は、約165億円。
他方、小沢氏の政治資金収入は、国会議員としてはトップクラスですが、それでも一昨年が約2億3千万円。何十人もの「子分」(笑)に配っても、大した額にならないでしょう。
国民の生活が第一」を結成した人々は、カネ目当てではなく、政治家として筋を通したのだと私は見ています。
http://www.asahi.com/politics/gallery_e/view_photo.html?politics-pg/1220/TKY201212191015.jpg
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-01/2013010101_05_1.html


先月5日には、このような記事もありました。

日本未来の党」(嘉田由紀子代表)への合流を果たし、12・16衆院選に打って出た小沢一郎氏(70)が先月中旬、都内の超一等地に所有する高級マンションを処分していたことが分かった。多数の不動産を持つことで知られる小沢氏だが、衆院選直前に資産を売却した理由とは。

(中略)

 一体、この時期の不動産売却の背景は何か。

 政治評論家の浅川博忠氏は「選挙資金を捻出しようとしたのではないか。小沢氏は周囲に『年内解散はない』と公言していたが、内心、『選挙は遠くない』と感じていたのだろう。当時、代表を務めていた『国民の生活が第一』は結党から間もなく、政党助成金を受け取れていなかった。そこで、部下を守るために、身銭を切ることにしたのでは」と推測する。

 確かに、野田首相が先月16日の衆院解散に打って出たとき、永田町では「資金面で厳しい小沢氏や生活を潰す意図では」とささやかれた。

http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121205/plt1212051147001-n1.htm


国会議員自体が「儲かる」と誤解されがちですが、長期政権の自民党議員が、多額の企業献金によって裕福だったことから、全ての国会議員が同じだと思い違いをされてしまうのでしょう。
実際はそうではないことを、前衆議院議員・三宅雪子さんも指摘しています。
http://www.miyake-yukiko.com/blog/post-532.html


私は、国会議員の歳費などを増やすべきだと考えています。以下、ご参考まで。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20120203/p1


<3月25日追記>
関連するツイッターのツイートをまとめたので、よろしかったらご覧ください。
http://togetter.com/li/441741