藤谷美和子さん「徘徊」「奇行」報道の卑劣


先週、週刊誌などで「徘徊」「奇行」が報じられた、元女優の藤谷美和子さん。
以前、「自分は皇族」との妄想に取りつかれ、皇居に侵入しようとした藤谷さんが統合失調症であることは、誰の目にも明らかです。


今回報じられた「徘徊」「奇行」は、藤谷さんの家族以外の人に迷惑をかけるものとは思えません。統合失調症の人には、ありふれた行動です。
それをわざわざ報じる目的は、何なのでしょうか。


調べてみると、藤谷さんは、最近10年以上もの間、ほとんど仕事をされていないようです。
報道内容からは、仕事を再開する目処が付く状態ではないと判断するしかありません。
事実上、芸能界を引退している藤谷さんは、芸能人ではなく一般人として扱うべきです。


一般人の病気を、本人の承諾を得ずに報じることを正当化する根拠を、今回の週刊誌およびスポーツ紙などは、示せるのでしょうか。
精神障害者への偏見または差別を弱める意図があっての報道なら、正当性を認める余地があります。しかし、「奇人・変人扱い」するだけであれば、偏見または差別を助長しかねないのです。


藤谷さんの夫・岡村俊一さんがツイッターで述べられた言葉は、深い苦悩およびマスメディアへの怒りを吐露されたものだと感じました。
http://twilog.org/psw_yokohama/friends-okamurashunichi


家族の苦しみへの想像力が少しでもあれば、今回のような報道姿勢にはならないはずです。
カネのためなら人権を完全に無視するのは、あまりにも卑劣な行為です。