小沢一郎氏およびIMF前専務理事への「人物破壊」


IMF前専務理事・ストロスカーン氏の「事件」は、「被害者」の様々な疑惑が報じられたことで冤罪の可能性が指摘されるようになりました。私は、ストロスカーン氏の逮捕直後から陰謀を疑っていたので、特に驚きはありませんでした。フランス次期大統領の最有力候補だったストロスカーン氏、たとえ疑惑が払拭されても大統領選挙には立候補すら難しいでしょう。

国際通貨基金IMF)の前専務理事ドミニク・ストロスカーン被告(62)の性的暴行事件で、被害者のホテル従業員女性(32)がニューヨークの検察当局や大陪審に対し、事件直後の状況などで事実と異なる証言をしていたことが分かった。女性は証言を偽ったことを認めているという。米メディアが一日伝えた。

(中略)

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、女性は五月十四日の事件当初、現場のホテルの部屋から廊下に逃げ、同被告の退室をしゃがみ込んで待っていたと証言。しかし、実際は事件後も仕事を続けており、別の部屋を掃除してから再び同被告の部屋に戻り、通報前に片付けをしていたという。

また、女性が事件直後に電話をした男は薬物犯罪で逮捕歴があり、この男らが過去二年にわたり、女性の銀行口座に計約十万ドル(約八百十万円)を振り込んでいた。女性が税控除を受けるため、知人の子どもを自分の扶養家族に加えて申告し、母国ギニアからの亡命申請に虚偽の内容が含まれていたことも判明したという。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011070202000198.html

仏では1日、各テレビが問題を克明に報じたほか、有力紙「ルモンド」もホテル従業員女性をめぐる疑惑を特集。同紙は米紙を引用し、女性がホテルで「VIP(最重要人物)の泊まる階」の担当を強く希望していた可能性を報じた。

http://mainichi.jp/select/world/news/20110702k0000e030013000c.html

女性は虚偽の供述をしたり、事件直後に薬物犯罪で逮捕歴のある男と電話で「報酬はいくらか」と話していたことが確認されたという。

http://mainichi.jp/select/world/news/20110702k0000m030081000c.html


この構図は、元民主党代表・小沢一郎氏の「事件」とそっくりです。当時、次期総理大臣の最有力候補だった小沢氏は、秘書らの逮捕によって民主党代表辞任を余儀なくされたのです。しかし、検察の捜査の様々な問題が指摘され、冤罪であることはほぼ確実です。それにもかかわらず、小沢氏は党員資格停止処分(無期限!)を受け、民主党代表選挙には立候補すらできない状況にあります。

 検察ストーリーは、やはり砂上の楼閣だった。小沢一郎元代表の元秘書3人が収支報告書の虚偽記載に問われた「陸山会裁判」で、東京地裁が「検察敗北」の決定打を放った。検察の供述調書38通の大半を「信用できない」として証拠採用を却下。デッチ上げと認めた調書には、衆院議員の石川知裕被告(38)が「小沢元代表に虚偽記載を報告、了承を受けた」という調書も含まれていた。この調書が、小沢の強制起訴の唯一の証拠だっただけに、秋にも始まる裁判は根底から崩れ去ったも同然だ。無罪は確実で、裁判を開くだけ時間と税金の浪費である。

 陸山会裁判で、元秘書3人の弁護団があぶり出したのは、ハナから結論ありきで、脅し、すかし、泣き落としで自白調書を作りあげた東京地検特捜部のエゲツない実態だ。
 その筆頭格が、石川議員の聴取を担当した元特捜副部長の吉田正喜、田代政弘両検事である。
「吉田検事は別件の“贈収賄事件”の調書を作成し、『こんな事件はサイドストーリーだ』と破り捨てるパフォーマンスを演じて自供を強要。田代検事は『特捜部は恐ろしい組織だ』と脅しつつ、時には『親しい検察上層部が“小沢の起訴はない”と言っていた』と甘言をささやき、小沢氏の関与が色濃い調書にサインさせたのです」(司法ジャーナリスト)
 石川は保釈後の再聴取をICレコーダーを使って密かに録音。石川が供述を翻そうとすると、聴取を担当した田代検事が「最高権力者の小沢氏が変えさせたとの印象を持たれて(検察審査会で)小沢氏が不利になる」と再び揺さぶりをかける様子がバッチリとられ、裁判所に提出された。
 大久保隆規元秘書の調書を取ったのは、改ざん検事の前田恒彦受刑者だったし、池田光智元秘書の担当検事2人も、今回と同じように作成調書が「デッチ上げ」と過去の裁判所で認定された“札付き検事”だ。

http://gendai.net/articles/view/syakai/131320

 小沢一郎民主党元代表資金管理団体陸山会」の土地購入を巡り政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた元私設秘書で衆院議員、石川知裕被告(38)ら元秘書3人の公判で、東京地裁(登石郁朗裁判長)は30日、検察側が証拠請求していた3人の供述調書計約40通のうち約20通は証拠採用しないことを決定、残る調書の多くも部分的に却下した。証拠の審理は既に終えており、7月20日に検察側の論告求刑、8月22日に弁護側の最終弁論が行われるが、秋にも予定される判決内容に影響を与えそうだ。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110701k0000m040128000c.html


オランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は、その著書「誰が小沢一郎を殺すのか?」において、小沢氏に対する「人物破壊」が行なわれていると指摘しています。ある人物が、自分にとっての敵を殺さなくても、事実ではない「疑惑」が事実であると人々に信じ込ませることにより相手の政治生命を断つということです。
http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%B0%E3%81%8C%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E%E3%82%92%E6%AE%BA%E3%81%99%E3%81%AE%E3%81%8B%EF%BC%9F%E7%94%BB%E7%AD%96%E8%80%85%E3%81%AA%E3%81%8D%E9%99%B0%E8%AC%80-%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%B3/dp/product-description/404885089X/ref=dp_proddesc_0?ie=UTF8&n=465392&s=books


「人物破壊」は「民主主義破壊」でもあります。許されざる行為ですが、日本ではマスメディアが検察による「小沢一郎抹殺キャンペーン」に加担しています。「記者クラブ=マスメディアの情報支配体制」を崩そうとする小沢氏が総理大臣になっては困るからなのでしょう。


それでも「村木厚子さん冤罪」を経て、マスメディアは検察のインチキを隠しきれなくなったようです。ストロスカーン氏および小沢氏が復権できるかどうかが、民主主義の成熟度を計るバロメーターになるでしょう。