小沢一郎氏を国会でリンチすることを、国民は望んでいるのか


民主党代表・小沢一郎氏の国会招致に関する報道が連日繰り返されています。物事の上辺ばかりを伝える空疎なニュースにうんざりしています。


偏向報道垂れ流しの現状では、世論調査で「小沢疑惑」について問えば、多数の回答が「追及せよ」となるのは当然です。でも、「小沢追及」を最優先の政治課題と考える国民は、ほとんどいないのではないでしょうか。そうだとしたら、無理やり小沢氏を国会の場で証言させる必要はないはずです。小沢氏は、今後の裁判で証言せざるを得ないので、それで充分でしょう。今日公開された文書で、小沢氏も、同様に主張しています。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_7092.html
http://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/2010/12/post-23c1.html


同様の指摘は、参議院議員・有田芳生さんおよび森ゆうこさんのブログにもあります。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_129a.html
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_8dfb.html
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_43ae.html
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2010/12/post_6660.html
http://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/2010/12/post-e41d-1.html


小沢氏は何度も説明しているのに「説明責任を果たしていない」と非難され続けたのです。小沢氏を勝手に疑っている人々(検察およびマスメディアなど)にこそ、「なぜ疑うのか」について説明する責任があるはずなのですが。


そのことを知ってか知らずか、内閣総理大臣菅直人氏および民主党幹事長・岡田克也氏の対応は、極めてお粗末です。わざわざ無用な党内対立を生み出しているようにしか見えません。
http://www.asahi.com/politics/update/1217/TKY201012160594.html


あちこちで、「反小沢」と「小沢擁護者」の議論が噛み合わない場面がしばしば見られます。「小沢=巨悪」の結論ありきの人々、または「小沢が何を言っても議員辞職するまで叩いてやる」と腹の中で考えている野党の議員たちには、何を説明しても徒労に終わるかもしれません。国会の政治倫理審査会または証人喚問の場で小沢氏が話しても「疑惑はますます深まった」「納得できるような説明がない」などと言われるのが目に見えています。


「小沢氏は犯罪(贈収賄、斡旋利得など)に関与している」というイメージを与える洪水のような報道が約2年間も続いてきた(現在も続いている)ので、そのイメージを覆すのは至難の業です。論理的に反論しても、浸透したイメージの方がはるかに強力だからですが、それ以前に、マスメディアは「小沢疑惑」の中身が不明であることをほとんど伝えません。マインド・コントロールに陥ったカルトの信者をカルトから解放することよりは難しくないかもしれませんが、カルト信者とは比べ物にならないほど多数の人が「小沢=巨悪」のイメージを植え付けられているはずです。


森さんの発言のとおり、「小沢疑惑」は「政治とカネ」のスローガンばかりで、その実体が何かは誰も答えられないことを粘り強く説いていくしかないでしょう。
http://www.mori-yuko.com/activity/index.php?e=73
http://critic6.blog63.fc2.com/blog-entry-430.html
http://d.hatena.ne.jp/amadamu/20101214/1292337037


ロシアの例でも明らかですが、民主主義は、選挙の制度があってもマスメディアが偏向報道を行なっていれば機能しません。政府を批判せず、プーチン礼賛を繰り返すようなロシアのマスメディアより、日本のマスメディアは健全だと言えるでしょうか。


選挙で選ばれた国会議員を、捏造された「怪しい」というイメージを根拠に袋叩きにする現状は、民主主義の否定です。日本は、戦後65年が経っても「疑似民主主義」から脱却していないのです。


昨年、55年体制成立以降では初めて選挙で政権交代が実現しましたが、その意義を理解しない一部の民主党所属議員たちの愚行は、小沢氏の「民主党政権が失敗すれば、半永久的に日本に民主主義が定着しなくなる」との懸念を現実化しかねません。小沢氏は、民主主義実現のために離党せず、自分を叩く民主党の同僚議員にも協力しようとしているようです。それにもかかわらず、視野狭窄の人々は、昨年の総選挙でのスローガン「国民の生活が第一」を忘れ、仲間を犠牲にすることで自分たちの利益を維持しようとしているのでしょうか。


いま大変危機的な状況にあることを、菅氏および岡田氏は全く理解していないように見えます。彼らを速やかに辞任させることが、民主党の最優先課題であると私は考えています。