人類の根源的な欲求に支えられている「池上彰氏」の人気


昨日発売の「AERA」で、「そうだったのか! 池上彰人気」と題した記事がありました。
http://www.aera-net.jp/summary/100912_001908.html


「硬派なテーマの番組はウケない」と思い込んでいたテレビ朝日の番組制作者たちの予想に反して、番組での池上氏のコーナーの比率を高めたところ視聴率が上がったので、池上氏の冠番組になったとのことでした。
また、以前の記事でも述べましたが、テレビ東京の選挙特番の視聴率はいつも民放最下位だったのが、今夏の参議院選挙は池上氏の起用で「民放では、日テレに次いで2位」になったそうです。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20100805/p2


さらに、「成功した経営者などの体験に基づく著書は役に立たないので、客観的な知識へのニーズが増えた」との分析もありましたが、これが正しいかは私には疑問です。


もともと「世界を知りたい」「事実を知りたい」という強い欲求があるのが人間で、それは太古から現代まで変わらないものだと思うのです。
「それについては知ろうとしても知ることができない」という現実がもたらす不安を解消するために、昔の人は、自然現象を「神の仕業」などという虚構を用いて理解したつもりになっていました。心理学で言うところの「防衛機制」の「合理化」です。しかし、現代人の多くは、そのような虚構では満足できません。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%98%B2%E8%A1%9B%E6%A9%9F%E5%88%B6/


大量の情報が溢れれば溢れるほど、「言葉は知っていても、その意味はよく分からない情報」が増えていきます。それは、心に不安または葛藤をもたらします。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E8%91%9B%E8%97%A4/


「池上人気」は、やや大袈裟かもしれませんが、人類の根源的な欲求に支えられていると考えるのが妥当ではないでしょうか。