鈴木宗男氏の実刑確定への疑問(2)


ジャーナリスト・田中良紹氏のブログより。

 「政治とカネ」が裁判になると「事実上は無罪だが有罪」という訳の分からない判決になる事が多い。しかし政治家は逮捕される前からメディアによって「クロ」にされ、長期の裁判が終る頃に「事実上の無罪」になっても意味がない。アメリカの知日家が言う通り、この国の司法は民主主義国の司法とは異なるのである。

 それを裏付けるように最高裁判所が9月8日、鈴木宗男氏に「上告棄却」を言い渡した。民主党代表戦挙の1週間前、北海道5区補欠選挙の1ヵ月半前である。多くの人が言うように一つは小沢氏を不利にする効果があり、もう一つは自民党町村信孝氏を有利にする効果がある。最高裁の判決は二つの政治的効果を狙ったと疑われても仕方がない。疑われたくなければ10月末に判決を出しても良かったのではないか。

 北海道5区の補欠選挙への鈴木氏の影響力は大きいと言われる。自民党最大派閥の領袖が民主新人に敗れるような事になれば町村派は消滅する。官僚にとって都合の良い自民党が痛手を受ける。だからその前に判決を出した。

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2010/09/post_232.html


鈴木氏の上告棄却が3日前に決まったことについて、佐藤優氏は「厚生労働省元局長への無罪判決で検察への批判が広がってからでは都合が悪いため」「小沢一郎氏が総理大臣になると、鈴木氏を排除しにくくなる可能性があるため」と分析していましたが、田中氏の分析も恐らく的を射たものだと考えます。「旧体制」を守りたい人々にとっては一石四鳥なのでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20100909/p1