鈴木宗男氏の実刑確定への疑問(1)


昨日、鈴木宗男氏の上告が棄却され、実刑判決が確定することになりました。
民主党代表選挙で小沢一郎氏と菅直人氏が激しく争っている状況下で、小沢氏と親しい鈴木氏の上告棄却が決まったことに、「反小沢」の意図を感じるのは私だけではないようです。


元外交官の佐藤優氏は、以下のように述べています。

 このタイミングで最高裁判所の司法官僚が鈴木氏の上告棄却を決定したことは、きわめて合理的だ。それには2つの理由がある。

 第1の理由は、9月10日に大阪地方裁判所で行われる村木厚子厚生労働省局長の裁刑事判で、無罪判決が予想されているからだ。そうなれば特捜検察は正義の味方であるという神話が裁判所によって覆される。当然、世論の特捜検察の取り調べに対する疑念と批判がかつてなく強まる。そうなると、「国策捜査」によって事件が作られたという鈴木氏の主張を完全に無視することができなくなる。

 第2の理由は9月14日の民主党代表選挙で小沢一郎前幹事長が当選する可能性があるからだ。最高裁判所の司法官僚にとっては、これも頭痛の種だ。小沢氏は鈴木氏の政治的能力を高く評価している。そもそも鈴木氏を衆議院外務委員長に抜擢したのは小沢氏だ。小沢政権になれば鈴木氏が政府の要職に就くなど、政治的影響力が高まるのは必至だ。そうすれば排除が困難になる。

 この結果にいちばん喜んでいるのは外務官僚だ。鈴木氏が収監されることにより外交機密費(報償費)の不正使用や、外交秘密文書の破棄に対する責任を追及する政治家がいなくなると外務官僚はほっとしている。しかし安心するのはまだ早い。鈴木氏は小沢氏に外務官僚に関するヤバイ情報をすべて引き継いでいるはずだからだ。

http://news.livedoor.com/article/detail/4996747/


以下の記事で、鈴木氏の裁判での「認定事実」(1)および(2)は供述調書を作成する過程が適正なものでなければ事実ではないものであり、(3)の政治資金規正法違反および(4)の虚偽証言が事実でも重罪とは言えないと思います。

◇1、2審の認定事実
 (1)北海道・沖縄開発庁長官だった97年10月〜98年8月、島田建設側から開発局発注工事に絡む依頼を受け600万円を受領(受託収賄)(2)98年8月、違法伐採で林野庁から入札参加資格停止処分を受けた製材会社「やまりん」側から、売り上げ減を穴埋めするだけの事業を随意契約で受注できるよう林野庁への働き掛けを依頼され500万円を受領(あっせん収賄)(3)資金管理団体「21世紀政策研究会」の98年分の政治資金収支報告書に、約1億円の収入と自宅購入に充てた3600万円の支出を記載せず(政治資金規正法違反)(4)02年3月の衆院予算委の証人喚問で虚偽証言(議院証言法違反)。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100908k0000e040066000c.html


佐藤氏が指摘した厚生労働省元局長に対する検察の杜撰な捜査は、このブログでも過去に取り上げています。冤罪であることは、複数の人々の証言からも明らかです。
http://www.asahi.com/national/update/0904/OSK201009040094.html
http://www.asahi.com/national/update/0907/OSK201009070194.html


鈴木氏の「実刑」も冤罪の可能性が相当あります。
昨日の鈴木氏の「ムネオ日記」を読むと、厚生労働省元局長への取り調べとの類似性を感じます。
http://www.muneo.gr.jp/html/diary201009.html


小沢氏が記者会見への参加条件を記者クラブ会員に限定しない方針を採っていることは、マスメディアにとっては利権を失うことだとジャーナリスト・上杉隆氏は指摘しています。それは、小沢氏も認識しているようです。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20100106/p1
http://www.ozawa-ichiro.jp/elections/


マスメディアに小沢氏が叩かれれば叩かれるほど、私は小沢氏を応援したくなります。