誤解および偏見と闘う小沢一郎氏の言葉に共感


民主党代表選挙で、小沢一郎氏と菅直人氏の討論などを録画し、その言葉を聴いています。


「カネと数をあまりにも重視する政治こそが古い政治だ」と菅氏は小沢氏を批判しました。でも、カネがなければ候補者の名前を連呼するだけの空虚な選挙になるでしょうし、議会制民主主義の基本は多数の有権者の支持を受けた勢力が議会で多数を占めることにあるはずです。極端に私腹を肥やしたり、特定の企業と癒着したり、議会の少数意見を完全に無視するのなら問題ですが、そのどれにも小沢氏は当てはまらないでしょう。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100904k0000m010095000c.html


菅氏は「カネがまつわる古い政治から脱却しなければならない」と発言しましたが、小沢氏が検察の捜査対象になったことが問題なら、検察が政治家の生殺与奪の権を握ることになります。 これは、民主主義の否定です。
しかも、検察は恣意的かつ杜撰な捜査で冤罪を引き起こしているのです。今週金曜日に厚生労働省元局長へ無罪判決が出ることは確実視されています。それにより、検察がいかにいかがわしい組織か、改めてはっきりするでしょう。菅氏は、自分が検察の「狙い撃ち」の対象になる可能性を考えないのでしょうか。
「政治とカネ」は、与党時代の自民党の官房機密費流用疑惑(記者および評論家へのバラマキ)にこそふさわしい言葉でしょう。
発想が古いのは、菅氏の方ではないのでしょうか。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201009/2010090200896
http://www.asahi.com/national/update/0904/OSK201009040094.html


さらに、菅内閣普天間問題での日米合意を見直さないでいます。参議院選挙での「民力結集」などというスローガンからも、政権交代の意義を理解しているのか不安になります。「雇用、雇用、雇用」の発言には、視野の狭さを感じます。


一方の小沢氏は、菅内閣が来年度予算の概算要求基準を「一律10%カット」としていることを批判しています。一律ではなく、増やすべき部分は増やし、減らせる部分は大きく減らすことを主張しています。普天間問題での日米合意は沖縄県民の理解を得られないとして、見直しを強く示唆しています。


また、補助事業の見直しで地方に財源および権限を委譲することが、地元企業の受注につながり、地方に活気を与え、中央官庁の支配を崩し、財源の用途が限定されないことで無駄の削減にもなると言っていました。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201009/2010090100948
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/yougo/chihou/12.html


小沢氏の言葉を聴けば聴くほど、国民のために闘う決意を感じ、大改革の具体策に納得できます。それに比べて、菅氏の言葉の空疎なこと。鳩山由紀夫氏は野党時代からダメだと思っていましたが、菅氏でも昨年のマニフェストの内容を実行できないようです。現時点で総理大臣にふさわしいのは、小沢氏ではないでしょうか。


17年前の「非自民連立政権」で、小沢氏は政権を崩壊させたと言われました。自分よりかなり年長の大臣・武村正義氏について「(大臣を)辞めさせろ」と強硬に主張したり、他者の意見をまるで聞かない態度であったと批判されています。武村氏は、自民党を離党した目的より「反小沢」の感情が勝り、自民党との連立に転向したと証言しています。


様々な人々との連携と離別を繰り返してきたことに、小沢氏の人間的欠点が表れているのかもしれません。それでも、小沢氏の目指す方向が間違っているとは思えません。


これまで、小沢氏への誤解および偏見について、このブログで批判してきました。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20100106/p1


「日本社会を立て直し、経済を再生していくためには、国民主導、政治主導の政治を実現しなければならない」と言う小沢氏。
誤解および偏見に苦しみ、マスメディアに袋叩きにされることを承知の上で、総理大臣になろうとする理由が「世のため人のため」であるのならば、私は応援したいと考えています。


なお、日刊ゲンダイの「ゲンダイネット」、田中良紹氏の「国会探検」、松崎哲久氏の「いま、なぜ小沢一郎か」は必読です。
http://gendai.net/articles/index/syakai
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2010/09/post_231.html
http://matsuzakit.jp/article/13785767.html