法務大臣・千葉景子さんによる死刑執行への賛否


先月28日、法務大臣千葉景子さんが死刑執行を認めたことは、大きなニュースになりました。
それは、千葉さんが死刑廃止論者であることが要因でしょうが、死刑執行直前の参議院選挙で落選したことと関連付けての批判もありました。

「絞首刑」などの著書があり、死刑執行に詳しいジャーナリストの青木理氏が言う。
「先進国で死刑制度があるのは日本アメリカの一部の州だけですが、アメリカではジャーナリストや被害者の家族らが執行に立ち会うことができる。日本の死刑は、家族の立ち会いも認められず、徹底した秘密主義の下で行われています。法律上、死刑執行には検察官と拘置所長(または代理人)が立ち会わなければなりませんが、そのための専用スペースがある。おそらく千葉法相も、そこで一部始終を見届けたのでしょう」
 日本の死刑は絞首刑だ。執行される刑場は、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡の全国7カ所にある。
「東京拘置所の場合、刑場は、鬼門である丑寅の方角(北東)にあります。刑場の手前の部屋には祭壇があり、死刑囚はそこで宗教的儀式を行った後、目隠しをされて、アコーディオンカーテンで仕切られた奥の部屋へ連行される。床は平らで、いわゆる“13階段”はありません。祭壇部分を含めれば、部屋の広さは15畳以上。刑務官がボタンを押すと足元の床が開き、ロープを首にかけられたまま体が落ちる。執行ボタンは必ず複数の刑務官が同時に押し、誰が当たったか分からないようになっています。東京拘置所の場合は3人。死刑は午前中に執行するのが慣例で、1件につき1時間くらいかかるといわれています」(青木理氏)
 執行に関わる刑務官には、当日朝か前日の夜に知らされる。死刑執行が終わると、その日の勤務は終了。とても通常業務を続けられるような精神状態ではないからだ。

http://gendai.net/articles/view/syakai/125496


私は、千葉さんと実際に会ったことがあります。10年以上前に、民主党のシンポジウムに参加し、千葉さんの話を聞きました。
しかし、千葉さんを積極的に支持する気にはなれませんでした。先月の参議院選挙の神奈川県選挙区では千葉さんに投票しましたが(比例区はもちろん有田芳生さんに投票しました)、消去法で選んだだけのことです。
死刑廃止論も、私とは相容れません。私は死刑は必要だと考えています。検察および警察の大改革が前提ですが。


それでも、神奈川県の一部の有権者の投票を理由に「大臣罷免せよ」の暴論には賛成できません。
千葉さんの大臣辞任を求めるジャーナリスト・上杉隆さんが、議員ではない人を大臣に任命することが可能な現在の内閣制度に反対しないのは、矛盾しています。初めから国会議員ではない人は、大臣になっても選挙を経験しないからです。
そもそも、参議院(または衆議院)選挙は立法府に所属する議員の選挙であって、行政府の大臣としての適格性を問うものではなく、最高裁判所裁判官国民審査とは異なり「落選させたい人を選ぶシステム」ではありません。
しかも、千葉さんは僅差の次点でした。どうして、この結果を「大臣として不適格だと国民が判断した」などと解釈できるのでしょうか。上杉さんによる「官房機密費流用問題」追及は応援しますが、千葉さんに関しては意見が異なるようです。


弁護士・滝本太郎さんは、千葉さんとお知り合いだとのことですが、私は滝本さんのご意見にほぼ同意します。
「千葉さんの真意は、ご本人にしか分からない」とも思いますが。
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/983.html
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/984.html
http://sky.ap.teacup.com/takitaro/986.html