批判的視点を欠いたメディアの薄気味悪さ


昨日、テレビ神奈川で「4000年の歴史ロマン! 祈りの旅路 聖地エルサレム」と題した番組が放映されました。
エルサレム聖墳墓教会岩のドーム及び嘆きの壁など、イスラエルの史跡をレポーターが巡り、イスラエルの歴史も紹介されていました。
期待通りの興味深い内容でした。前半は。


ところが、番組の後半に差し掛かると、突然「阿含宗」の教祖・桐山靖雄氏が登場し、宗教儀式が始まったのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%90%E5%B1%B1%E9%9D%96%E9%9B%84
ここで私は録画を止め、チャンネルを変えました。


この番組のタイトルからは、「阿含宗の宣伝」という要素を含むことは全く判断できません。
「だまし討ち」という言葉を連想してしまいました。
オウム真理教及び統一教会が素性を隠して勧誘する手口と類似した手法です。


09.03.17
「4000年の歴史ロマン!祈りの旅路 聖地エルサレム」テレビ放映のお知らせ
 昨年9月にイスラエル国エルサレム市において行われた、「世界平和祈念 イスラエル大柴燈護摩供」の模様が収めれた番組「4000年の歴史ロマン!祈りの旅路 聖地エルサレム」が下記の日程にて放送されます。

●出演 
番組案内人 市川森一(脚本家)
レポーター 木之元亮(俳優)
       石亀幸子(元NHKアナウンサー)
監修    菅沼晃 (東洋大学元学長 東洋大学名誉教授)

 文化、社会、宗教的背景の異なる様々な人々からなる中東の国・イスラエル
 ここには、実に4000年にも及ぶ民族の壮大な歴史が流れています。
 そのイスラエルの都市エルサレムの街にはユダヤ教イスラム教、キリスト教、三大一神教のそれぞれの聖地が存在します。
 まだ日本では知られていないこのエルサレムの街を中心に、レポーター陣が観光・食文化・宗教・市民とのふれあいを通して、現在のイスラエルも紹介いたします。
 

特別協力 阿含宗


局名 放送日 放送時間

MX 東京MX−−−−3月20日(金・祝)12:00〜12:55
CTC千葉テレビ−−−3月20日(金・祝)14:00〜1455
WTVテレビ和歌山−−3月21日(土)15:00〜15:55
TVN奈良テレビ−−−3月21日(土)12:00〜12:55
KBS京都放送−−−−3月22日(日)19:00〜19:55
MTV三重テレビ−−−3月22日(日)17:00〜17:55
BBCびわ湖放送−−−3月22日(日)16:00〜16:55
GTV群馬テレビ−−−3月23日(月)15:30〜16:25
GYTとちぎテレビ−−3月27日(金)20:00〜20:55
TVSテレビ埼玉−−−3月29日(日)19:00〜19:55
GBS岐阜放送−−−−3月29日(日)18:00〜18:55
TVKテレビ神奈川−−3月30日(月)19:00〜19:55
SUNサンテレビ−−−4月10日(金)15:00〜15:55

http://www.agon.org/news/news_detail.html?topics=188


UHF放送局は、苦しい経営を強いられている企業が多いと思います。
阿含宗の宗教行事「阿含の星まつり」を中継していることは知っていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%8E%E3%81%AE%E7%A5%AD%E5%85%B8%E3%83%BB%E9%98%BF%E5%90%AB%E3%81%AE%E6%98%9F%E3%81%BE%E3%81%A4%E3%82%8A
貴重なスポンサーなのでしょう。
それにしても、「阿含宗」を伏せておきながら宣伝する番組まで作ってしまうとは…


一昨日は、千葉県知事選挙で森田健作氏が当選しました。
テレビのニュースを見ていると、森田氏が明るい表情で元気に語る姿が繰り返し放映され、キャスターらのコメントは、森田氏当選に肯定的なものばかりでした。


しかし、森田氏は保守系の「日本教育再生機構」の役員でもあります。
http://www.kyoiku-saisei.jp/kiko/kiko.html#k03
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%95%99%E8%82%B2%E5%86%8D%E7%94%9F%E6%A9%9F%E6%A7%8B


森田氏の著書の「内容紹介」には、以下の記載があります。

家族や家庭には、計り知れない力がある。
子どものしつけや教育はもちろん、夫婦の良好な関係がビジネスに立ち向かう原動力になるなど、「きちんとした家庭を営むこと」は、いろいろな意味で力の源であるといっても過言ではない。逆に、これら「家庭力」が欠乏していることが、最近の子どもの犯罪や、いじめ、不登校といった問題の背景にあるはず。それなのに、あなたは自分の子の土台づくりまで、学校や社会任せにしてはいないか?
“青春の巨匠”が明かす、夫婦愛・親子愛の“基本法則”とは。
芸能生活35年、参議院議員7年、衆議院議員5年というキャリアの中で一貫して「人間の基本は家庭が教え、学校や社会は人間の応用を教える」など、教育や家庭のあり方について訴えてきた男・森田健作が、自ら実践する夫婦・親子関係の哲学を披露する。妻、両親、子・・・家庭を構成する一人ひとりが持つ「力」が十分に機能すれば、多くの問題が意外と簡単に解決できる。家族の問題で悩んでいる人を勇気づけるようなアドバイスを満載、人柄そのままのすっきりした読後感が得られる一冊!

http://www.amazon.co.jp/gp/product/product-description/453403718X/ref=dp_proddesc_0?ie=UTF8&n=465392&s=books


正論のようにも思えますが、「『子供の問題』の原因の全てが個人(親又は子)にあると決め付け、環境・社会的要因を無視」しかねない危うさを感じました。
私がメインブログ「不登校ひきこもり」で批判してきた長田百合子と同様の論法なのです。
長田百合子保守系の議員らに招かれて全国で講演を行なってきたことも指摘しておきます。
http://blog.livedoor.jp/psw_yokohama/archives/cat_50044213.html


保守政治家・石原慎太郎氏は、都知事として新銀行東京を設立し、オリンピック招致活動を行なっています。
新銀行東京は「中小企業支援」が目的でしたが、中小企業の資金調達を支援するのであれば、既存の金融機関を活用すれば済んだはずです。
オリンピックは、過去の開催地の選定及び有力なライバル都市の存在から判断すれば、東京と同じ「東アジアの都市」である北京で昨年開催されたのに、そのわずか8年後の2016年が東京となることなど有り得ないでしょう。
どちらも「莫大な税金の無駄遣い」としか言いようがありません。
石原氏は「戸塚ヨットスクールを支援する会」の会長でもあります。


現状認識及び歴史認識が「ズレている」保守政治家は、ピント外れの自己満足的な政策を推し進めてしまうリスクが相当に高いと私は考えています。
森田氏の当選を歓迎する気持ちには、到底なれません。