なぜ多くの詐欺被害が発生し続けるのか


昨日、「L&G」会長の波和二容疑者が逮捕されました。
組織犯罪処罰法違反容疑ですが、今後、詐欺容疑で起訴されることは確実でしょう。


波容疑者は、約30年前にも、詐欺で逮捕され、実刑判決を受けているそうです。
今回のことは防げたのでは、となおさら残念に思います。


毎日新聞によると、「約3万7000人から1260億円を集めた疑いが持たれている」「L&Gは1口100万円を預ければ、元本を保証した上で年36%の配当を支払うと約束し、顧客を募った」とのこと。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090206k0000m070134000c.html


初め「騙される方も…」とは思いましたが、「振り込め詐欺」など、様々な手口の詐欺が次々と現われ、多数の被害者が発生し続けている状況は、「被害者にも落ち度がある」と批判するだけでは改善しそうにありません。


被害者に共通しているのは、事実を確認せず、あるいは事実を確認したつもりになって、事実ではない事柄を事実と信じ込んだことです。


このブログで度々指摘していますが、「事実を確認する習慣」及び「何が『事実を確認する』ことなのかの判断力」を身に付けさせる教育の欠如が、最大の原因だと考えています。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20081125


もちろん、全ての事柄について事実かどうかを確認するのは、現実的ではありません。
学校教育で、教科書に記載されている事柄を一応事実と前提しなければ、あまりにも非効率でしょう。
教科書の内容に一部事実と異なるものが含まれていても、それによる児童、生徒又は学生のリスクは、それほど高くはないはずです。
ですから、私は詐欺被害防止の観点では「詰め込み教育」を否定しません。
ただし、「詰め込み」だけではなく、メディア・リテラシー教育も必要だと思うのです。


様々な情報を鵜呑みにしてはいけないこと(「詰め込み教育」とは矛盾するが)。
事実と確認していない情報に基づいては、あまりリスクの高い行動をしてはいけないこと。
「自分は大丈夫」という自信のある人こそ、誤信の高いリスクを抱えていること。


詐欺被害は、カルト被害との共通点が多いようです。
マインド・コントロールの研究成果は、詐欺被害防止に役立つでしょう。


大人に対しても、メディア・リテラシー教育を急いで行なうべきだと考えています。