総選挙の年に


新しい年が始まりました。

今年は衆議院議員の任期満了を迎えるので、総理大臣が解散するしないにかかわらず総選挙が行なわれます。

民主党中心の政権が生まれる可能性が高いと考えています。

私が最も注目しているのは、もちろん有田芳生さん(新党日本副代表)の動向ですが。

有田さんが「恐らく最後の挑戦」と位置付けられている次期総選挙、これまでの有田さんのご努力が実れば良いのですが…


政治学者・佐々木毅氏(元東京大学学長)へのインタビュー記事での佐々木氏の発言を、以下抜粋して引用します。

「次の選挙は政策抜きではあり得ない。国民が政策重視に変化してきた。候補者が男か女とか、官僚か民間人とか、そんなレベルでは動かない。国民は無駄にする時間も金もないことが分かっている」
「理由は高齢化です。収入がない高齢者は政府の政策に依存せざるを得ない。年金、社会保障制度や医療制度がどうなるのかに関心が向き、年々、国民の政策に対する反応は鋭敏に厳しくなっていく」
「政策で政治が動いたという経験をしたことがないからです。ここにズレがある。政策は選挙の演説に使えるくらいにしか考えていない議員も多い。政策問題は選挙後に白紙でゆっくり扱えばよいというのが今までの感覚だった」
大きな政府、小さな政府などという雑ぱくな議論をしている場合じゃない。具体的に何をやるのか、新機軸が出せるのかが問題。国民も政策の良しあしをもっと検討する選挙にしなくちゃいけない」
「とにかく国民に判断材料を与えてもらいたい。それなのに政党は『マニフェストは選挙文書だから公示まで出せない』なんて言う。マニフェスト作りは選挙活動ではなく政党の政治活動。各党合意でできるはずだ。国民の期待に真摯(しんし)に答えようとしているとは思えない」
「利益を媒介とした統合力が落ちてくると、政府はイデオロギーでそれを補おうとするものです」
「政治は国民に未来像を見せる力がなくてはいけない。小泉時代は米国をまねてきたが、金融危機で突然モデルが消えた。いまがピンチでありチャンスであるかもしれない」

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081226dde012040002000c.html


「年々、国民の政策に対する反応は鋭敏に厳しくなっていく」「具体的に何をやるのか、新機軸が出せるのかが問題」「いまがピンチでありチャンスであるかもしれない」という佐々木氏の現状認識は、私も正しいと思います。
それらの点から考えても、いまだに定額給付金などという政策にこだわって、全く新しい機軸を打ち出せないでいる自民党及び公明党の選挙結果は厳しいものになると予想します。


今の与党が議席過半数を獲得することもあるかもしれませんが、現在と同じ議席の3分の2以上を占めることは、どう考えても有り得ないでしょう。
自民党が野党に転落しなかったとしても、議席が3分の2以上に達しなければ、参議院で否決された法案の再可決を行なうことも不可能となるので、「何も出来ない与党」となります。


そのような与党が与党であり続けることも、総選挙の後ですぐにまた解散・総選挙となることも、大変な税金の無駄遣いです。
「それを回避するためには、やはり政権交代しかない」という認識が広く共有されることが大切だと思っています。