「戦場 心の傷」


一昨日及び昨日放送された「NHKスペシャル 戦場 心の傷」を見ました。
衝撃的な内容でした。


明日及び明後日の0時55分(深夜)に再放送されます。多くの方にご覧いただきたいと思っています。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080914.html
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080915.html


過去の戦争で、心を病む兵士が続出したが、昔は「臆病者」とされて殺されたケースもあったこと。
次第に、「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)の概念が確立し、精神障害として治療の対象になったこと。
イラク戦争以降、イラクに派遣されたアメリカ兵にも、PTSDになってしまった人が大勢居ること。


「兵士が、より抵抗感無く、より容易に人を殺せるようにする工夫」をアメリカ軍が重ねてきたことは、アメリカの心理学者が明らかにしているそうです。このことは、ジャーナリスト・有田芳生さんの著書「メディアに心を蝕まれる子どもたち」で紹介されています。
しかし、アメリカ軍の「工夫」は、「人は、普通、人を殺すことに大変な罪悪感を持つ」ということの裏返しでもあります。


番組の内容は、既に「知っていること」が多かったのですが、それは「頭での理解」にとどまっていたことを思い知らされました。


戦場から帰還してから、「人が変わってしまった」人々の悲劇。
何度も自殺未遂を繰り返し、結局自殺してしまった人。
朝から酒浸りの日々を過ごすようになった人。
戦場の出来事が脳裏に焼き付き、苦しみ、悲しみ、おびえ続ける人。


イラク戦争以降のイラク人の死者は15万人とも言われ、アメリカ兵も4,000人以上が亡くなっているそうです。
多数の死者を出すのが戦争ですが、そればかりではなく、大勢の「心を殺された生還者」をも生み出してしまうのだということを実感させられました。
「やはり、戦争は絶対に起こしてはいけないのだ」と強く思いました。
イラク戦争を推し進めた「戦争犯罪人ブッシュ政権の人々は、「戦争の恐ろしさ」への想像力など全く持っていないのでしょう。
彼らへの怒りが更に大きくなりました。


アメリカの政治家には、「戦争をしたがる人々」が少なからず居るようです。
彼らが軍需産業からの「カネ」及び「票」を目当てにしていることは明らかです。
ベトナム反戦運動を受けて、軍を徴兵制から志願制に改めたのは、「いつでも、行ないたいときに戦争を行なうため」なのでしょう。
「兵士は、自分の意思で入隊したのだ」と言えるように。


「自由の国」アメリカの闇の部分を、見逃してはいけないのです。