学位工場、賞工場(2)


一昨日発売の「週刊文春」に、書道家武田双雲氏のWEBサイトの「プロフィール」に掲載されている「受賞歴」に関する記事がありました。


2003年に「龍華翠褒賞」及び「コスタンツァ・メディチ家芸術褒賞」を受賞したとされていますが、どちらも「株式会社美研インターナショナル」が携わった展覧会に出展したことによって贈られたようです。

美研インターナショナル」によると、「コスタンツァ・メディチ家芸術褒賞」は出展者の全員が受賞し、「龍華翠褒賞」も出展者の多数に贈られたとのことでした。

そのような「国際的な権威や価値は全く無い賞」を経歴に載せていることに対して批判的な専門家のコメントも紹介されていました。


メディチ・ワールド・アソシエーション株式会社」のWebサイトで、以下のような記載があることも、さらに疑問を大きくします。

コスタンツァ・デ・メディチ氏が日本のアーティストに対し、自身の名を冠した賞を正式に授与したのは、2007年2月のNAOTO(鈴木直人)が初めてです。
数年前に「コスタンツァ・デ・メディチ芸術褒賞」と称した賞を授与していた団体がありますが、その賞の授与に関して、弊社及びコスタンツァ・デ・メディチ氏は一切関知しておりません。

http://www.medici.ne.jp/idea/index.html


出展料が高額なため武田氏側が出展するか決めかねていると、運営者(美研インターナショナル)が「受賞は保証します」と言って出展させたという経緯を、週刊文春の記事は明らかにしています。

事実上「賞の売買」としか考えられません。


1年前の記事「学位工場、賞工場(1)」でも述べましたが、ニセの学位、ニセの賞を含む経歴を公開(誇示?)することは、結局「その人自身の人間性を疑われる」という結果になると思うのです。


NHKのWEBサイトでも、武田双雲氏のプロフィールとして「中国上海美術館より龍華翠褒賞、イタリア・フィレンツェにてコスタンツァ・メディチ家芸術褒章賞」などと無批判に掲載しています。困ったものです。

インターネットで少し検索するだけでも「怪しげな賞」だとすぐに分かると思うのですが。