中国料理の歴史は、意外に短い!?


先日、中国料理店を経営する傅健興氏が東京大学で行なった講義に関するWebページをいくつか読んで、驚きました。
これまでの中国料理中華料理のイメージが完全に覆ったのです。

日本で一般に抱かれている中国料理のイメージは、実際には中国料理のごく一部の側面に過ぎない
中国料理と聞いて日本人が想像する食材や調理法などの多くは、中国料理の歴史の中では比較的新しいものである

http://www.kenkoh-t.com/profile/news/fu-004.pdf

麻婆豆腐は発明されたのはわずか100年ほど前のことであり、四川料理の特徴と考えられている唐辛子が利用されるようになったのも400年ほど前のことに過ぎない。食材のみならず、中国料理から連想されることの多い「強火で炒める」という調理法も、歴史的にみるとそれほど長い歴史を持つものではない

http://www.ealai.c.u-tokyo.ac.jp/ja/lectures/2007/traditional_culture_of_the_east_asia/about/#a000398

中国料理のルーツは京都料理にある
遣隋使遣唐使が持ち帰った中国料理のレシピを日本人は洗練させ、1000年以上たったいまに残している。一方、中国では戦乱の度に料理文化が途絶え、国が滅びると皇帝に仕えた料理人は処刑される定めとあって継承されなかった
遣唐使の時代には油などなく、そもそも炒めるという文化は500年前に生まれた

http://www.sinsekai.com/profile/news/2007/2007-1229.htm


ここでの「継承されなかった」とは、主に宮廷料理について述べているのでしょう。

また、文化大革命の時代に料理文化は軽視されたようです。このときにも技能が「継承されなかった」現象があったかもしれません。


他のWebサイトにも、「昔の中国料理は今の和食のようなものだった」ことなどの歴史に関する記述がありました。

2000年以上も昔、秦の始皇帝がまだ中国を統一していなかった頃、数多くの王国の中で勢力の最も大きな国が周の国でした。その頃には、周の国には、宴会に出される会席料理があり、これを周の八珍といい、料理八品を備えた会席料理のことです。その調理法として、焼く、煮る、酒漬け生物、野菜の塩漬けなどがあり、焼く、それもてり焼きが、当時は大変好まれていたようです

http://japanese.cri.cn/189/2005/05/18/1@40850.htm

新中国誕生後の相当長い期間、大きな力を建設にふりむけ、食べ物といえばお腹を満せばそれでよい時期がつづき、この時期にも、料理も余り大きな発展は見られません。料理がこれまでに見ないすさまじい勢いで発展をとげたのは、1980年代に、計画経済から市場経済に転換し、改革開放政策が一つ一つ実を結ぶようになってからのことです

http://japanese.cri.cn/189/2005/05/18/1@40857.htm


「中華料理の文化史」という本があります。私は読んでいませんが、より詳しく知りたい方は、ご覧になっても良いかもしれません。

フカヒレの歴史はせいぜい三百年、北京ダックはたかだか百年あまり。
ではそれ以前の中華料理とはどのようなものだったのか?
異民族との交流により中華料理は大きく変貌してきた

http://shinshomap.info/book/4480057242.html


他にも、中国料理に関する興味深いWebサイトがありました。


http://www.yurindo.co.jp/yurin/back/yurin_448/yurin.html

http://www.tenzo.net/rekisi/rekisi-3.htm