薬害肝炎と「他者の痛み」


ジャーナリスト・有田芳生さんのブログに投稿したコメントを、以下転載します。


日本社会の現状は、「どんな不幸や災厄も、自分には無縁だろう」としか認識せず、「弱い者だけが災厄に深く傷つくものだ」と考え、「他者への痛みへの感受性や優しさなどどうでも良い」と考える者が少なくないのかもしれませんね。

薬害肝炎の「加害者」である製薬会社の社員及び厚生労働省の官僚たちは、きっとそのような発想なのでしょう。


http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071221/143688/?P=4
このWEBページで
「薬害肝炎については、テレビの取り上げ方も何か他人事のようです。訴訟の結果と政府の対応を淡々と取り上げています」
と指摘されていますが、マスメディアにも「共感性の乏しさ」は蔓延しているのかもしれません。

もう10年くらい前の出来事ですが、現在「報道ステーション」に出演している古舘伊知郎氏が、雑誌記事で
「私は、他人の不幸がウレシイ」(多分、原文のまま)
と述べていたことを思い出しました。

ニュース番組は、数えきれないほどの他者の不幸を伝えるものですが、そのようなときに、古舘氏はどのような気持ちでいるのでしょうか。
古舘氏が発する言葉とは裏腹に、古舘氏の表情には、いつも共感性が感じられません。
「古舘氏の、あの表情がイヤだから、あの番組は見ない」と言っている人も居ます。
「共感性の乏しさ」が問題だと気付くこともないのでしょう。


http://blog.livedoor.jp/psw_yokohama/archives/51240104.html
以前、私のブログで紹介したのですが、ヨーロッパの複数の国では、職場のいじめを禁ずる法律があり、違反すると処罰されることもあるようです。

このような法律を制定することが、「他者の痛みへの理解が共有される社会」を実現するためには必要なのかもしれませんね。