日本人の起源と「人類大移動」(1)
先月、NHK「サイエンスZERO」で、日本人の起源について取り上げていました。
もともと興味のある分野ではあったのですが、最近これほどワクワクさせられる番組はありませんでした。
「ミトコンドリアDNA」の解析によって、現在の人類(ホモ・サピエンス)が、アフリカで誕生してから世界中にどのように拡がってきたかが、ほぼ解明されたようです。
それによると…
現在より海面が低かったため歩いて紅海を渡ってアフリカを出た人類は、南アジアのあたりでいくつかの進路に分かれる。
中東を経由してヨーロッパへ。
東南アジアを経由して東アジアへ。
アジア北部を経由して東アジアへ。
さらに、氷河期に凍っていたベーリング海峡をアジアから渡って南北アメリカ大陸へ。
東南アジアからオーストラリア及びオセアニアの島々へ。
その中で、日本人の起源についても詳細に分かってきたようです。
様々な時期に複数のルートで人類が流入してきたこと。
「彫りの深い顔貌」の縄文人と、縄文人に遅れて日本に入ってきた「平らな顔貌」の弥生人が混交して、現在の日本人(の大多数)が形成されたこと。
「国家」及び「民族」という概念についても再考させられる内容でした。
Microsoft「エンカルタ」及び複数のWEBサイトの情報を総合すると、「彫りの深い顔貌」のアイヌの人々が縄文人の血を引いていることも明らかになっているようです。
沖縄の人々にも縄文人との関連性が指摘されているようですが、地理的に、東南アジア系及び中国系など、様々なルーツがあるのでしょうね。
台湾の先住民は、フィリピンなどに住んでいる「マレー系」の人々だったので、すぐ近くの沖縄にも入ってきていたのでしょう。島伝いに九州にも来ていたのではないでしょうか。
台湾だけでなく、アフリカ大陸東側のマダガスカル島及びチリ領のイースター島(ラパ・ヌイ島)の先住民も「マレー系」又は東南アジアに住んでいた人々の子孫だったというのも興味深いことです。
大陸に住んでいると、100km、あるいはそれ以上も陸地から離れることはほとんどなく、「移住の手段はほとんど舟に限定される人々」が太平洋及びインド洋を大冒険して制覇したということでしょうか…
「日本人の多様性」については、新たな記事を近日中にアップロードする予定です。