江川卓氏と小林繁氏の対談


最近、元プロ野球選手である江川卓氏と小林繁氏の対談が、日本酒のテレビコマーシャルとして流されています。

空白の一日」問題によって、阪神巨人の間で交換トレードされた2人です。


それを見て、強い違和感を覚えました。

「なぜコマーシャルなのか?」と。


空白の一日」の当時、私は幼かったこともあって野球に興味がなく、リアルタイムでは知りませんでしたが、全国的な話題になった問題でした。

江川氏は、マスメディアから激しいバッシングを受けました。

江川氏にとっても、小林氏にとっても、人生で最も重大な出来事のひとつだったに違いありません。


その出来事について語り合う場が、「なぜ『コマーシャル撮影のスタジオで良い』と思ったのだろう」と感じたのです。

人目につかない状況を選ぶのが自然だと思うのですが…

しかも、テレビコマーシャルによると、江川氏と小林氏のこのような対談は初めてだとのこと。


「マスメディアから激しいバッシングを受けた出来事だったから」というのが「対談を世間に公開する理由」だったとしても、1分にも満たないコマーシャルではなく、短くとも1時間以上の番組として制作されるべきだったのではないでしょうか。

テレビコマーシャルで伝えられる情報は、ほんのわずかです。

コマーシャルの最新のバージョンでは、「対談のDVDをプレゼントする」と言っていますが、「プレゼントされた一部の人にだけ詳細を公開する」というのも疑問です。


「『お互いに対談に踏み切ることができなかった状況』を、コマーシャル撮影の依頼が変えた」ということなのでしょうか。


当時、江川氏の行動は、「ずるい」と非難されたのですが、私はむしろ「ずるさを欠いていた」と考えています。

ドラフト制度は、憲法の「職業選択の自由」に抵触すると考えることもでき、江川氏の行動には正当性が無いとは言えませんが、「空白の一日」は、あまりにも下手な方法でした。


「叩かれることを承知の上で行なった直球勝負」だったと思うのです。

そのような点などについて、江川氏の発言に興味はあるのですが…