参議院選挙を振り返って(3)


ジャーナリスト・有田芳生さんが立候補された参議院選挙から3カ月が経過しました。

有田さんは、最近、政治活動を本格的に再開されました。


陳腐な政治家イメージとは相当異なる斬新なスタイルだったのが、有田さんの選挙活動です。
それを、私は選挙中にうまく表現していなかったと反省しています。

大組織の支援など無かった、いわば「清貧選挙」でした。
多くの人に有田さんの「孤軍奮闘」を知っていただきたいと思っています。

次の総選挙には、有田さんが再度立候補される可能性が高いのですが、それはいつ行われるか予測できません。

ですから、今のうちに、私の拙い選挙レポートの補足をしておきます。


有田さんはタスキをかけず、白手袋を使われませんでした。

ザ・ワイド」で有田さんの選挙活動が紹介されたときに、有田さんが演説される様子が放映されましたが、絶叫せず(相手に無理やり聞かせようとせず)、いつも落ち着いた静かな語り口でした。

その方が、聴いてもらえる話し方なのだと思います。
むしろ絶叫されると、私は「どうでも良いことを話してるのかな」と思ってしまいますから(笑)

有田さんの事務所には、ダルマはありませんでした。
「狭い事務所に置いておくのは邪魔だから」という理由ではなかったのでしょう。

もし当選していたとしても、きっと「皆で万歳三唱」などしなかっただろうと思います。
静かにビールで乾杯するくらいだったのではないでしょうか。

有田さんの下のお名前を初めて見て「よしふ」と読める人は皆無でしょう。
大多数の政治家の発想なら、ビラ及び看板に「有田よしふ」という「政治名」を表示させるところでしょうが、有田さんは本名そのままの「有田芳生」にふりがなを付けて表示されていました。

私は、有田さんが私を含む支援者又は有権者に礼を言われる場面を見たことがありません。

「よろしくお願いします」とは仰っていましたし、遠方の支援者に礼状を発送されてはいるようですが。

最初は「あれ」と思ったこともありました。

でも、自分のためでなく(利己的でなく)「社会のために」という目的があるのなら、何も卑屈になる理由はないのです。
有田さんは、「選挙戦を気高く闘いぬくつもりです」と公示前日にブログに掲載されていました。
「有難うございます」を連呼したり、土下座しながら「どうか、私をよろしくお願いします」などと言ってしまえば、「世のため人のために」ではなく「自分のために」議員になろうとしているようにしか見えないのです。

考えてみれば、有田さんは、議員になっても経済的メリットはないはずですから、社会貢献を行うために立候補されたのですから、弱小政党で大変過酷な選挙戦だったのですから、礼を言わないのが当たり前なのでしょう。

むしろ礼を言ってもらいたいくらいでしょう。礼を言われることは多分ないでしょうが。

また、「自分のために議員になろうとしている」と思われてしまえば、「彼らだけ頑張っていればいい」と思われかねません。それでは社会を変革できないでしょう。
だから、有田さんは礼を言わず、「おかしな日本。一緒に変えていきましょう」と仰るのでしょう。

テレビでも、他の出演者の意見に簡単にはうなずかない(自分が正しいかどうか分からないことに同意はしない)有田さんのことですから、「礼を言わない」のは、そこまでお考えになってのことでしょう。

社会のために働こうとするのなら、有田さんも、私たち支持者も、お互いに礼を言わない。それで良いのでしょう。


参議院選挙公示の前日に、有田さんが私のブログを紹介されたことを、「私が高く評価された」、「特別に信頼された」などとは全然思っていません。
私のような者の「微力」まであてにしなければならないほど厳しい条件を有田さんは敢えて選ばれた、ということでしかないのです。

初め、「この私のブログを有田さんのブログで紹介する」ことの可否を訊かれたとき、「紹介されるのは複数の有田さんの知人又は支援者のサイトで、この私のブログはそのうちのひとつに過ぎないのだろう」と思って、軽い気持ちで「そんなこと、大丈夫ですよ」と返事しました。

ところが、実際には新党日本のWEBサイト及びこの私のブログのみと、非常に目立つ形での記載だったので(笑)、私を(ある程度)信頼していただいたのは嬉しかったのですが、「うっかりおかしな内容を公開すれば有田さんの足を引っ張りかねない」とプレッシャーを感じました。

有田さんに紹介されなくても、「勝手に選挙レポート」を掲載するつもりでしたが、勝手にやるわけにもいかなくなりました(笑)
「大した支援もできないから、せめて迷惑は掛けないように」と、非常に慎重になりました。

出来の悪い選挙レポートでしたので、次の選挙でも有田さんに紹介していただけるか分かりませんが(笑)、紹介されるされないにかかわらず、何らかの情報発信は行なうつもりです。


私は、かなり以前から政治に興味がありましたが(議員になりたいとは思いませんが)、「支持したい人が居ない」という思いを抱えていました。
そこに、有田さんの立候補を知り、喜んで支援したのです。

選挙に関わることには、「人脈作り」というメリットがあるとも思っていました。
他にも、有田さんの傍に居ることで、色々学べるものがあると考えていました。

予想したより支援者は集まらず、また、有田さんに話し掛けるのがはばかられる状況が続きあまり話せず、正直期待外れの面はありましたが、それでも貴重な経験ができたと感謝しています。


私は、「有田さんには欠点がない」と考えているわけではなく、有田さんの仰ることが全て正しいと思っているわけでもありません。
有田さんの仰ることを鵜呑みにしないように心掛けてもいます。

でも、やはり私は何か気になるニュースがあると、「有田さんはこの件についてどうお考えになるだろう」と思うことがしばしばあります。
有田さんから受けている影響が小さくないということは認めざるを得ません。


インターネットでは「有田さんと議論したくてしょうがない人」及び「有田さんを批判したくてしょうがない人」(でも有田さんから相手にされていない人)の存在を見つけることもできますが、私は「自分が有田さんと対等に議論できるようなレベルではない」と思っているから、意見が異なっても議論しようなどとはしません。

有田さんのご意見に疑問を抱いても、「なぜ有田さんはそう考えるのか」を真剣に想像し、又はご本人に訊くでしょう。


選挙戦では、有田さんの短所も垣間見えました。
でも、それを批判するつもりはありません。
「人間は多面体」と仰る有田さんご自身も当然多面体だということです。
人間味を感じて、さらに親近感を覚えました。

私は、自分の弱さを自覚しているので、どうしても「寄らば大樹」的発想に陥ってしまう傾向があります。
私が有田さんの立場なら、新党日本から出馬はしないでしょう。
その点でも、やはり有田さんは素晴らしいと思うのです。


初めて有田さんにお会いした池袋の「おもろ」で、有田さん、有田さんの出版社時代の先輩・五十嵐茂さん(有田さんのブログに時々コメントを投稿されています)及び有田さんのWEBサイト管理をされている澤田篤さんが、「どこの馬の骨とも分からぬ若造」(私)に、誠実に接していただいたことを忘れてはいません。

その五十嵐さん及び澤田さんとも、有田さんの選挙で一緒に働くことになりました。
次も、お会いすることになるのでしょう。