三宅雪子さんと、日本未来の党の選挙結果(1)


「悪貨は良貨を駆逐する」は、日本の政界にも当てはまる法則なのでしょうか。日本未来の党が惨敗し、維新の会民主党に匹敵する議席数に。何より、「極右化」しつつある自民党が圧勝するとは。6割を切る最低の投票率も、情けない。

未来の党の惨敗は新聞報道で予測できましたが、三宅雪子みやけ雪子)さんまでとは、予想外でした。
http://senkyo.mainichi.jp/46shu/kaihyo_area_ichiran.html?aid=A12004


三宅さんの千葉4区からの立候補の最大の意義は、「民主党自民党共産党は、全部イヤだ」と思う有権者に選択肢を与えることにありました。三宅さんが選挙区を千葉4区に変更しなければ、棄権する人が更に増えたことでしょう。
その貴重な選択肢が活かされなかったことは、本当に残念です。


比率で、議席数を最も減らしたのが未来の党で、約7分の1。次が民主党で、約4分の1。反対に、最も増やしたのが維新の会で、約5倍。次が自民党で、約2.5倍。みんなの党が約2倍、公明党が1.5倍で続く。


公示直前に結成された未来の党。やはり準備不足でした。しかも、原発が選挙の争点にならなかったために存在感を高めることができませんでした。過去の新党の失敗により、信頼を得にくかったのかもしれません。

原発政策が争点にならなかった最大の要因は、それを自民党が曖昧にしたことで、原発推進を明確に唱える政党がなかったことではないでしょうか。自民党の公約を読むと、全ての原発を廃止する考えはないこと、むしろ推進する可能性もあることが明らかなのですが…

民主党社民党および共産党なども脱原発を訴えたため、「脱原発票」は分散してしまったのでしょう。
「30年後の脱原発」を訴えた民主党の「本気度」には疑問符を付けたくなりますが…

未来の党の敗因は、消費税増税反対を唱える政党が複数存在したこと、消費税増税法案成立で「もはや選挙の争点ではない」と思い違いをされてしまったことにもあるかもしれません。

「反対=対案がない」と誤解されたのかもしれません。未来の党のWebサイトを見れば、対案があることも分かるはずですが、各政党の政策を自分で調べることなく、それまでのイメージで投票先を決める人も多いのではないでしょうか。

未来の党が受け取れる政党交付金の額は、所属する前衆議院議員の数と比べて、かなり少なかったはずです。民主党を今年離党した人が多く、その人の分の政党交付金は、民主党に交付され続けたからです。資金面でも不利な闘いを強いられました。

共産党と同程度の議席数となってしまった未来の党。来年の参議院選挙でも、資金不足に苦しめられそうです。

「私は捨て石で良い。人生かけてやっています。『救命ボートの船長』と言われても良い。脱原発の議員を、落選させたくない」と語った嘉田由紀子さん。未来の党は惨敗でしたが、その要因が嘉田さんにあるとは考えにくいです。続投を支持します。


自民党の勝因は、民主党への失望感だけでなく、いわゆる第3極への不信感にもあるのでしょう。自民党比例代表での得票数が多くはないことから、積極的に支持されてはいないと考えられます。

「1955年から2009年までの期間のほとんどで与党だった自民党なら、安定感がある」とでも思われたのでしょうか。今の自民党は、政権交代で「賞味期限切れ」が露呈した3年前より、更に劣化していると思うのですが…

自民党以外の政党が票を奪い合って、自民党が漁夫の利を得たことを、今日の朝日新聞の記事は指摘していました。いわゆる第3極が選挙協力していれば、多少違う結果になったはずです。

共産党は、当選の可能性がないのに、ほぼ全ての小選挙区で候補者を擁立しました。それは、自民党を助ける結果になることが明らかでした。「実行する政党」などと言っていましたが、脱原発など、他党と共通する政策があっても選挙協力せず。実行する意志などないのです。


維新の会の勝因は、何よりもテレビでしょう。連日「無料宣伝」をしてもらったからこその、比例第2党。「太陽の党」との合流で、様々な矛盾が指摘されても、大きなマイナスにはなりませんでした。論理よりもイメージで判断するのが人間。


来年の参議院選挙の結果次第で、憲法が徹底的に改悪されることになりかねません。
Yahoo!みんなの政治 - 憲法改正
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/yougo/seiji/5.html


私は、公明党を全く支持していませんが、もはや憲法改悪阻止のためには、公明党に期待せざるをえない状況になってしまいました。しかし、自民党および維新の会の組み合わせでも、衆議院の3分の2を超えます。


ほぼ最悪の結果になってしまったことに、ショックを受けています。
安倍晋三は、次の内閣を「危機突破内閣」と銘打ちましたが、「危機突入内閣」の間違いではないでしょうか。
憲法日中関係拉致問題解決。安倍内閣で、これら全てが危機的状況に陥りそうです。
暗澹たる思いになってしまいます。