日本人の起源と「人類大移動」(4)


久し振りに、このテーマについて取り上げます。
(過去の記事の一覧)
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%C6%FC%CB%DC%BF%CD%A4%CE%B5%AF%B8%BB


1日、日本人の起源についての新たな研究成果が公表されました。

 日本人の遺伝的な系統はアイヌ(北海道)と琉球沖縄県)が縄文人タイプで、本州・四国・九州は縄文人と弥生系渡来人との混血とみられることが、東京大などのゲノム(全遺伝情報)解析で分かった。約100年前に提唱された「アイヌ沖縄同系説」を裏付ける成果で、1日付の日本人類遺伝学会誌電子版に論文が掲載された。

(中略)

 今回の結果はこれらの仮説を高い精度で裏付けるもので、日本人の起源を探る上で貴重な成果という。仮説はこれまでもミトコンドリアDNAの分析結果などで支持されてきたが、はっきりしていなかった。

 研究チームはアイヌ系36人、琉球系35人のゲノムを解析し、DNAの個人差を示す60万個の一塩基多型(SNP)を調べ、本州・四国・九州の計243人や韓国人などと比較した。その結果、アイヌ琉球が遺伝的に最も近縁で、本州などは韓国と琉球の中間と判明。アイヌは個人差が大きく、北海道以北の別の民族との混血が起きたとみられることも分かった。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/121101/scn12110108070000-n1.htm

 日本人を北海道のアイヌ、本土人、沖縄の琉球人の3集団に分けた場合、縄文人に起源があるアイヌ琉球人が近く、本土人中国大陸から朝鮮半島経由で渡来した弥生人縄文人との混血が進んだことが確認された。総合研究大学院大や国立遺伝学研究所(遺伝研)、東京大などの研究チームが、過去最大規模の細胞核DNA解析を行い、1日付の日本人類遺伝学会の英文誌電子版に発表した。

(中略)

 総研大と遺伝研の斎藤成也教授は「ベルツの説が101年後に最終的に証明された。本土人は大ざっぱに言えば、縄文人2〜3割と弥生人7〜8割の混血ではないか。今後は縄文人のDNA解析で起源を探るほか、弥生時代に農耕が広がり人口が急増した時期を推定したい」と話している。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2012110100041