血液型性格判断と占いは、なぜ危険なのか


このブログでは、これまでに、ふたつの迷信を批判してきました。
血液型性格判断占いです。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%b7%ec%b1%d5%b7%bf%c0%ad%b3%ca%c8%bd%c3%c7
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%C0%EA%A4%A4
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20090403/p1
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20090412/p1


東海学院大学教授・長谷川博一氏も、これらの迷信をツイッターで批判されています。

占いのインタビュー収録終わった。占い依存症にならないために、という趣旨。今や一兆円市場と言われる分野。即席占い師が電話とネットで大儲けしている。自信に欠け自己決定できない人が、「ズバリ」答える占い師に参集する。数百万円から一千万円つぎ込み破産した人も。
占いではズバリ答えられるので、選択できない人の心を虜にする。対照的なのがカウンセリング。時間をかけて丹念に自己と向き合い、「決められない」「自信のない」自分を克服していく。占いを全否定はしないが、依存症にならないよう、娯楽の域を超えないよう付き合うべきと考える。
即席占い師の「マニュアル」があり、そのコツを習得すれば誰もが人気占い師になれる時代だ。24時間、電話やネットでつながる点で孤独な人には魅惑的。1分100円から300円が相場で、あっという間に万単位の請求が来るはめに。占い師の掲示板の所々に、その世界の裏側が書かれている。
朝の情報番組や雑誌で「占い」が取り上げられる現状には賛成できない。視聴率、購買数に響くという理由。私のフォロワーには周知のことと思うが、血液型性格論は、かなり前に学術的に否定されている。にも拘わらず多くの人が信じているのはなぜだろう? ABO式血液型に注目しているのは日本人だけ。
血液型性格学で本を書き知られている能見正比古氏。そのデータはねつ造との、一定の結論が出されている。私はよくA型かAB型だと言われるが、実はO型だ。プロフィール欄に血液型を記す理由が、本当ならないのだ。Facebookでは恋愛対象の性別を記すが、文化・価値観の違いの反映。
黄色人はA型が多い。白色人はB型が多い。チンパンジーはA型。だから進化途上にあるのがA型だと昔の西洋人は考えたという歴史がある(白人進化説)。もちろんこれは今では否定されている。血液型で人事採用を決めたりする社長がいるというのは差別だが、血液型で性格を判断するのも大差ないのでは。
血液型と性格の関連性に関する研究は数多くなされ、信頼できる文献ではすべて否定されている。血液型と性格の関連を信じる人と信じない人の性格の違いは、証明されている。

http://twilog.org/psw_yokohama/date-120505


以前の記事でも紹介しましたが、占いの危険性を指摘するコメント等を、改めて引用します。

 横浜市にある「めだかメンタルクリニック」には、精神的な病気なのに占い師を信じて病状が悪化した人や、占い師への相談を繰り返しながら何度も失敗をし傷を深めた人も通院しています。占い師の指示で薬を拒否する人もいます。同院長の上村順子医師は、「占いは麻薬と同じです。即効性のある鎮痛剤にはなりますが、根本的な治療には至りません」と話します。「占いは相手のすべてをわかっているかのように話し、こうした方がいいと行動を規制します。そのときは薬になりますが、実は人間の力を奪うことになります。考える力、悩みを抱えて生きていく力、主体性を奪っていくのです」
 心理学者で信州大学の菊地聡助教授は、よく当たる占い師がいたとしても、占い自体に問題があると言います。「占いは、相談者の人格や能力を見て判断するのではなく、霊能力やタロットカードといった不確かな評価基準によって相談者を判断し、その人の意思決定を促します。そして相談者が思考停止に陥り、占い師にコントロールされてしまう場合もあるという怖さがあります」 また、占いの無責任体制を指摘。例えば、相談者の悩みが虐待や暴力に起因する場合でも、占い師には、しかるべき社会機関につなげる責任がありません。「最近、占い師が自らを開運カウンセラーと称することがありますが、心理学・精神医学の専門家としての訓練も受けず、社会的責任も負わない占い師に、カウンセリングを受けることは危険です」

http://homepage3.nifty.com/jwil-helpcult/karuto/k0502.html


血液型性格判断と占いは、自分で探しても見付けられない「答え」を与えてくれるものです。
一時的な満足は、得られるかもしれません。
しかし、高い代償を払わされることになりかねないリスクを、中島知子さんなど、多数の事例が教えてくれているのです。