小沢一郎氏の冤罪、前原誠司氏の免罪


民主党元代表小沢一郎氏および小沢氏の元秘書らの裁判について、必読の記事を記録しておきます。


「世紀の魔女狩り 小沢元秘書裁判の不当」(日刊ゲンダイ

 3人の元秘書らに有罪判決が下った陸山会裁判から一夜明け、27日、石川知裕衆院議員ら3被告は揃って、判決を不服とし、東京高裁に控訴した。小沢一郎元代表は「あんな判決はあり得ない」と周囲に強い不快感を示したというが、当然だ。前代未聞のデタラメ判決には、多くの法曹関係者がのけぞっている。

(中略)

 小沢が怒ったのもここで、「検察でも認定できないものなのに、あんな判決はあり得ない」と周囲に語った。検察でも認定できない……とは、もちろん、水谷建設からの裏金のことだ。物証がなく、あるのは水谷サイドの証言と、カネを渡した日のホテルのレシートだけ。もらった側が全面否定し、検察も立件を見送ったのに判決では「一切現金を受け取っていないという大久保、石川の供述は信用できない」と“疑わしきは罰する”のである。

(中略)

「本当に裏金が渡ったのであれば、なぜ、執行猶予付きの判決で済むのか、聞きたいものです。それに、判決文では、水谷からの裏金があったので4億円の記載をゴマカしたという論法が展開されているが、小沢氏が4億円を用立てしたのは2004年の10月初旬で、水谷が最初の裏金を石川氏に渡したとされる10月15日の前なのです。つまり、4億円の中に水谷マネーは入りようがない。これだけで検察の論法は崩れるのです」(同)
 衆院議員で弁護士の辻恵氏は「判決は捏造で魔女狩り裁判のようだ」とこう言う。
「裁判所は公判請求された公訴事実について真偽を判断するのが仕事です。裏金授受については判断する必要もないのに、虚偽記載の悪質性を強調するために証拠がないまま事実認定し、断罪した。大久保被告が天の声を発していたというのも同様です。さしたる証拠もないまま大久保被告が天の声を発していたと事実認定し、だから、水谷建設も大久保被告に裏金を渡し、虚偽記載では共謀していると断じた。検察は村木冤罪事件で違法な聴取をし、それと同じことを西松・陸山会事件でもやっていた。裁判所はそれをたしなめる立場なのに、小沢はうさんんくさい、金権だという世論やメディアに流され、証拠に基づかない事実認定をした。これぞ、魔女狩り裁判で司法の危機だと思います」

http://gendai.net/articles/view/syakai/132850


「黒い政調会長 前原誠司 東京地検が捜査開始」(日刊ゲンダイ

 ついに「黒い政調会長前原誠司(49)に捜査のメスが入る。暴力団関係者から献金を受けながら隠していた一件(外相時代に発覚)が、「政治資金規正法違反」(虚偽記載)にあたるとして、都内に住む男性などが東京地検に告発したのだ。
 地検は先月下旬、告発状を受理し、捜査を開始した。
 問題にされたのは、「まえはら誠司東京後援会」の09年分の政治資金収支報告書暴力団との関係が囁かれる「Mグループ」に50万円分のパー券を買ってもらいながら、収支報告書には、会社名が「Mグループ」とソックリの無関係な会社(千葉県)を記載し、さらに代表者欄には、これまた名称が酷似した別会社(東京都)の代表者名を書いていた。
 勝手に名前を使われた2社は、「献金していない」「まったくの無関係」とコメントしている。闇社会とのつながりを隠そうとしたのはミエミエだ。

(中略)

 実際、ここまで手の込んだ虚偽記載は、意図的でなければあり得ないことだ。小沢事務所の「陸山会」事件が、証拠もないのに秘書3人が逮捕され、裁判所が「有罪」としたことを考えれば、前原政調会長も虚偽記載で「有罪」にならなければつじつまが合わない。
 おかしいのは、あれだけ「小沢事件」を批判していた大新聞テレビが、前原誠司の「政治とカネ」の問題をほとんど報じようとしないことだ。

http://gendai.net/articles/view/syakai/132938


参議院議員・有田芳生さんのブログでの五十嵐茂さんのコメントより

 裁判で争われているのは、いわゆる「虚偽記載」、政治資金報告書に嘘の記載をしたとされる問題である。04年10月に購入した土地なのに翌05年の購入として記載したということであり、小沢氏から借りた4億円を陸山会名義の定期預金に組み、それを担保に「りそな銀行」から小沢氏に融資された4億円を土地購入代金に当てたと報告したという件である。そしてそれらはすべて小沢氏と共謀して行われたというのである(共謀については検察がそれを罪に問うことはできないとして一度は不起訴とした)。
 土地購入の4億円が銀行から融資された金であることはその通りのまぎれもない事実である。どこにも虚偽はない。報告しないならともかく、購入の報告を翌年にまわしたことがとてつもない虚偽報告とも思えない(“市民感覚”からすれば、笑い)。盗んだ金でもとんでもないものを買ったわけでも土地購入の事実を報告しなかったわけでもない。陸山会に貸し付けた4億円が小沢氏の普通預金にあったとしてもそれは資産公開の対象外であり隠していたわけでも後ろめたい闇の金だなどと決めつける根拠もない。石川議員に「これぐらいでは小沢さんは起訴にならないからサインしろ」と取り調べの腹黒検察官が誘導した通りではないか。
 しかしこれをめぐって裁判官、検察役の「推認」ストーリーがふくらむ。いわく「小沢に心服している秘書が独断でこのような細工をしたなどということはありえない」(こういうのはふつう決めつけと言う)、いわく「この4億円は企業からの後ろめたい裏金が原資だったのではないか」(言ったもん勝ちという言葉を思い出す)いわく「小沢事務所の“天の声”で岩手県などの公共事業の割振りが決まった」(発注権者の県はどこに行ってるの? 定義不能のこんなあいまい言葉が法廷用語に飛び出してくることの異常さ)などなどのストーリーである。「推認」と言うらしいが、これほど大胆に“推認”されるとその度胸の良さには驚いてしまう(「推認」と「と見るのが自然」表現は今年の流行語大賞に決まる「と見るのが自然」と「推認」される、大笑)。
 「ありえねー」はお笑い漫才だったら笑いを取れるかもしれないが、それを裁判官や検察官がやったら世も終わりでしょう。背筋が寒くなる。推認で法廷文書を通していいなら推理小説家に任せればいい。証拠が無いところはほら透視力でやりますから、てか(爆)。
 私はもちろん当事者でないから真実を確定できるわけではない。しかし私が恐れるのは素人の眼に映る範囲でもこのような推認ストーリーが法理として大手を振ってまかり通ってしまいそうな薄ら寒さである。大新聞もまたこのような進行にストップをかける何の批判精神も機能させていない。

http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2011/10/post_c2f3.html#comment-31470002