参議院議員・有田芳生さん「民主党移籍」の真相(2)


私が新党日本代表・田中康夫氏に対して初めて疑念を抱いたのは、第1回「有田塾」が開催された2008年4月でした。
有田塾とは、2008年から翌09年にかけて行なわれた、有田芳生さん(当時、新党日本副代表)主催の「新しい政治文化を創る」(有田さん談)ための講演会です。
第2回以降は、各界の著名人を講師に招いたのですが、第1回は有田さん自ら講演されました。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%CD%AD%C5%C4%BD%CE


その記念すべき日に、田中氏は来ませんでした。
党の支持者を増やす絶好の機会なのに、副代表による重要なイベントなのに、代表が欠席したのです。
田中氏は、第2回以降も恐らく参加しなかったと思います。私も全て出席したわけではないので断言できませんが。


新党日本のWebサイトを見ても、トップページに表示されている事項のほとんどが田中氏関連で、有田さん関連はごく一部。
自己顕示欲が強く、有田さんの存在を軽視しているとしか思えませんでした。


2009年の衆議院選挙直前に行なわれた有田さんの総決起集会には、田中氏も出席しました。
そのとき、田中氏の「選挙カー」を見た私は、不審を抱きました。
ウグイス嬢など、「ボランティアには見えないスタッフ」が多かったのです。
有田さん陣営では、ウグイス嬢さえもボランティアが務めるときもあり、ごく少数の「有給スタッフ」が「寄せ集め部隊」のボランティアをまとめている状況だったので、明らかに違う雰囲気でした。
また、田中氏が立候補した選挙区にある尼崎支部の事務所の様子は、新聞またはテレビで見た印象では、かなり広く立派なもので、有田さんの狭い板橋支部とは対照的でした。
新党日本公認で選挙区から立候補したのは田中氏および有田さんの2名だけでしたが(他に、比例代表単独で立候補した人もいました)、田中氏と有田さんでは、使える政党交付金の額が同じではないことを、私は察知しました。
献金は大した額にならず、新党日本の収入の大半は政党交付金だったはずです。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/naruhodo02.html#chapter1


公開されている2009年分の「政党交付金使途等報告書」を読むと、尼崎支部が1,530万円、関西総支部が1,300万円。一方、板橋支部は1,000万円。東京都総支部の270万円を有田さんが使えたとしても(そうではなかったと思いますが)、尼崎支部および関西総支部の合計額の半分にもなりません。
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/100929_kt/0600000005.pdf
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/KF20100929-06.html


長野県知事就任以降、田中氏の周囲には様々な人が集まり、去っていきました。「松本サリン事件」での冤罪被害者・河野義行氏の「田中批判」記者会見などを覚えています。
新党日本でも、2007年に荒井広幸氏および滝実氏が、2009年に有田さんが離党。有田さんの辞退によって同年参議院議員になった平山誠氏は、新党日本所属ではなく無所属として民主党会派に入っています。


昨年5月の有田さんのツイッターより。


http://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/13487660067
新党日本時代の異常な実体を世間に明らかにせよとの忠言ですね。


http://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/13489106890
僕については誉めすぎ。新党日本については事実。


有田さんは、民主党移籍の真相について、詳細はまだ明らかにされていません。
公務以外にも、東日本大震災の被災地に毎月ボランティアに行くなど、ほとんど休日もなく働かれていますので、過去を振り返る余裕は今後も当分なさそうです。