参議院議員・有田芳生さん「民主党移籍」の真相(1)


一昨年11月、ジャーナリスト・有田芳生さんは、記者会見で「新党日本離党」および「民主党移籍」を発表されました。有田さんは昨年の参議院選挙で初当選されたのですが、4年前の参議院選挙および一昨年の衆議院選挙で落選し、移籍発表当時は「新党日本副代表」でしたが国会議員ではありませんでした。


民主党への移籍は、私にとって青天の霹靂であり大変驚いたのですが、その真相(の一部)を最近になって有田さんは公表されています。私は直接ご本人から多少伺った話ですが、有田さんがインターネットで公開されている情報を中心にまとめておきます。

天木直人さんの「秘話」を興味深く読んだ。http://goo.gl/LwSSz 私が民主党に移籍したのは石井一さんと小沢一郎さんの会談で決まったこと。天木さんは私がテレビに出ている方が存在感があるという。しかしいまの立場でなければ未解決事件の解決や拉致問題への関与はできない。

http://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/114885218359443456


天木氏のブログなど。
http://www.amakiblog.com/archives/2011/09/16/#002032

 実は私は09年の参院選の際、田中康夫から直接出馬要請を受けた。

 田中康夫から誘いを受けたのはその時が二度目であった。

 最初は2005年の小泉郵政改革選挙の時である。

 その時私は小泉首相の地元神奈川11区から、小泉首相に挑戦する
ために一人で立候補した。

 告示前わずか10日ほどの無謀な立候補であった。

 その立候補を知った田中康夫がいきなり私に電話をかけてきて、
今長野から向かっているところだが、帝国ホテルで待っていてくれという。

 話とはこういうことだった。一人で立候補するぐらいなら新党日本から
出ないか。公認候補なら選挙費用はすべて党で負担する。自分(田中)
知名度があれば票も増える。

 その時立ち会っていたのが平山氏であった。

 少しためらった私は、結局自らの初心を貫いて一人で小泉首相
挑戦する道を選んだ。

 しかし、私が断った本当の理由は、その場で結論を出せと急ぐ
田中康夫の傲慢ぶりであった。

(中略)

 それから4年ほどたち、突然2009年の初めに連絡があり、
その年の衆院選新党日本から出ないかという。

 那須塩原まで一切ならず出向き家内の目の前で私を説得して見せるという
芸まで見せた。

 反対する家内を説き伏せて田中康夫の要請を受けた私は、その後の予定を
すべてキャンセルして田中康夫の指示に従った。

 その時から田中の秘書代わりをしていた平山氏と親しくなった。

 平山氏は憎めない男だった。私を何度も酒にさそって新党日本の内情を
教えてくれた。

 田中康夫との付き合いは長野県知事以来であるという彼は、
最後は田中康夫に愛想をつかして喧嘩別れをするわけだが、その時すでに
田中にはついていけないと漏らしていた。

 有田芳生氏と田中康夫の関係にも困惑していた。

 有田氏を新党日本に誘ったのは田中康夫だが、その後田中は有田を
疎んじるようになる。

 というよりも田中が有田氏を一方的に嫌って私の前で有田の悪口を言う。

 私はなんとか自分の力で当選させる最善の方法を考えるが、有田には
自分の努力でやってもらうという。

 そんな田中康夫の態度に気づかないはずはない。

 有田氏は私を警戒し、私と田中の間でどのような話がすすめられている
のかと聞いてくる。

 私はこれではダメだと思った。

 田中康夫にはまず有田を当選させる責任があると説得した。

 田中康夫が頼み込んだのかどうかは知らないが、最終的には
有田氏は小沢の民主党から立候補して当選するわけだからそれで
よかったのだが、新党日本の副代表を差し置いて私を立候補させよう
とする田中を見て、これはダメだと私は自らの立候補をその時すでに
内心あきらめるようになった。

 そのうち、どういう事情があったのかは知らないが、田中から
の連絡がぱったり途絶えた。

 あれほど頻繁に連絡をしてきた田中康夫から何の連絡もなくなった。

(中略)

 結論から言えば私の新党日本からの出馬は立ち消えになり、そのこと
自体は私にとってはどうでもいいのだが、その後も田中からは何の説明も、
釈明もなく今日に至っている。

 私はその時は田中康夫とはいつでも電話連絡できる間柄にあったので、
田中に説明を求めることは出来たのだが、あえて私からそれをしなかった。

 選挙出馬を頼み込んできたのは田中康夫の方であり、もの欲しそうに
田中康夫にあの話はどうなったと聞くような事はしたくなかったからだ。

 何よりも、その時には田中康夫にすっかり愛想を尽かしていたのだ。

 私にはまぎれもない目撃者がいる。それは家内だ。

 一部始終をそばで見てきた家内は、田中のあまりにも非常識な態度に
あきれ果てていたが、結局政治家とはそのようなものであり、そんな
政治家になろうと考える私が間違っていたのだ、まともな神経では
政治家などになれないのだ、と冷静に私を諭した。

 なぜ私がこのような事を書くかと言えば、田中康夫を評価して、
田中康夫と組んで政治を変えたらどうかと私にすすめる読者がいるからだ。

 残念ながら田中康夫はそういう政治家ではない。

(中略)

 平山氏は自ら認めているからまだいいほうだが、有田氏もまた今のような
状況で政治家を続けるかぎり何も出来ない。

 テレビで評論活動をしているほうがはるかに彼の存在感がある。

 田中康夫に至ってはもはや完全な食わせ者だ。税金泥棒だ。

 どうしてそれが可能なのか私は理解できないのだが、一人の政党になっても
政党助成金を貰い続けている。

 それを一人で使っている。

 そんな政治家がどのようなきれいごとを並べても私は一切信用できない
のである。

http://blog.goo.ne.jp/ichimurasan2006/e/af59e84ac07f8bc6d7e8f9710ffc6e91


今年7月の有田さんの「秘書4号」さんのツイッターより。

うちの有田芳生は前回の衆議院選挙で東京9区(練馬)から立候補する予定で一年間活動していたが、選挙協力の名のもとで板橋からの挑戦となった。落選したものの板橋区で良かったと心からそう思う。しかし、今になって分かった嘘がある。個人的にショックだが、これが政治的判断か。次号に続く

http://twitter.com/#!/dpjayki/status/88158549993193472

その2..新党○○公認、民主党推薦で練馬区から立候補をと言っていた某党党首と民主党幹部に騙されて活動した1年だった。党本部の幹部や当時の事務担当者に確認したところ『そんな話は知らない』まさに寝耳に水だったのだから間違いないだろう。終わった話しだから触れるなと言われたが無理だ。

http://twitter.com/#!/dpjayki/status/88167075587162112


有田さんは、4年前の参議院選挙に立候補されてから仕事の依頼がほとんどなくなってしまったそうです。それでも毎日のように街頭活動を行なうなど、心理的、身体的および経済的に大変な状態で奮闘されていたのです。稼げるテレビの仕事を捨て、まさに人生をかけて国会で働こうとされていたのです。
意見広告7人の会」の活動で拉致被害者家族会の方々と接してこられたことおよび「BC級戦犯」の取材などから、有田さんは、国会議員になって様々な問題の解決に取り組む決断をされたそうです。私は、それが有田さんの優しさだと理解しています。
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/07/post_3883.html


それにもかかわらず、有田さんは信頼していた田中氏からの手ひどい裏切りにあい、「今後も一緒にやっていくことなど、到底できない」と判断するしかなかったというのが真相のようです。
「秘書4号」さんの怒りは当然ですが、有田さんは努めて冷静にご自分のお考えを述べられています。

コップの中のさざ波。RT @tsutomujapan: 天木さんのプログ面白いです。

http://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/115400969210175488

自己満足にだけ通用する一般論の処世訓がある。富士山は遠くから見れば美しいが、足元はゴミばっかり。それを否定する者は、事実を知らないから。幻想を捨てよ、他人に期待などするな。カルト教祖は自分が素晴らしいと思い込んでいる。それがカルト理論の基本。政治家もまた同じ。

http://twitter.com/#!/aritayoshifu/status/115450461481472000

「“俺の利権”とはけしからん」と政治家を揶揄する政治屋が実は「公益」に隠れて利権まみれとは日本の政治もそんなもの。塵芥のごとき政(まつりごと)には呆れるばかり。

(中略)

「誰が卑怯か心に問いなされ!」(西郷隆盛)。そんな心境しばしば。結局は他者に対する愛情と敬意の問題。

http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2009/12/2010_6ed3.html


この件について、名古屋大学教授・後房雄氏のブログにも記述がありました。

有田さんは田中康夫新党日本から2回立候補して、今回は民主党で比例トップ当選だったわけですが、彼の田中康夫体験と私の河村たかし体験がそっくり同じで、おたがい、付き合ってみないと人は分からないもんだという感想でした。

http://blog.canpan.info/jacevo-board/archive/170


名古屋市長・河村たかし氏について、このブログで取り上げているので、よろしかったらご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/archive?word=%B2%CF%C2%BC%A4%BF%A4%AB%A4%B7