冤罪だらけの国では、「明日は我が身」と用心すべし!


これまで、民主党元代表小沢一郎氏および厚生労働省元局長・村木厚子氏の「事件」を例に、冤罪を生み出すマスメディア、検察および警察を批判してきましたが、今回は別のふたつのケースを取り上げます。
どちらも、当初は私も冤罪とは思わなかったのですが、小沢氏および村木氏と同様、捜査当局のでっち上げのストーリーからなる供述調書に無理やり署名させた可能性があります。

 高齢の認知症患者2人の足のつめを深く切り、出血させたとして、傷害罪に問われた北九州八幡東病院(北九州市)の元看護課長上田里美看護師(44)を逆転無罪とした福岡高裁判決について、福岡高検は30日、上告を断念すると発表した。上告期限の10月1日午前0時に無罪が確定した。

(中略)

 16日の控訴審判決は、上田看護師が「故意につめをはいだ」と自供した捜査段階の調書の信用性を否定。つめを深く切った行為は傷害に当たるが「看護目的で、手段、方法とも相当な範囲を逸脱していない」として違法性はないと結論づけた。

2010/10/01 01:48 【共同通信

http://www.47news.jp/CN/201009/CN2010093001000355.html

 「やっと無実が証明された。もう被告人ではありません」。つめ切り事件で、福岡高検の上告断念の発表に元北九州八幡東病院看護課長、上田里美さん(44)は30日、八幡西区内で報道陣の取材に応じ、安堵(あんど)の表情を浮かべた。10月1日午前0時、無罪が確定した。

(中略)

 無罪判決直後からこの日を待ち望んでいた。「不安だったが、信じていた。さすがに昨日からはまだかな、といらいらしてしまった」と苦笑。当時の取り調べについては「警察、検察がイメージしたストーリーの中に置かれ、いいように自由に動かされた。もっと自分が強い心を持っていれば違った展開になっていたかもしれない」と唇をかんだ。

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20101001ddlk40040377000c.html

 北九州市北橋健治市長は6日の定例記者会見で、入院患者の爪の処置を巡って傷害罪に問われ、福岡高裁で無罪判決が確定した北九州八幡東病院の元看護課長・上田里美さん(44)の行為を市が「虐待」と認定した経緯について、年内に市の第三者委員会「尊厳擁護専門委員会」を開き、検証する方針を明らかにした。

 この問題は2007年6月、同病院が「看護課長が患者4人の爪をはぐ虐待をした疑いが強い」と発表し、表面化した。同委員会は検証の結果、高齢者虐待防止法が規定する「虐待」に当たると認定。報告を受けた市は同病院に再発防止などを指導したが、今年9月の高裁判決は「正当な看護ケアだった」と結論付けた。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20101006-OYS1T00646.htm


看護師・上田里美さんが逮捕されたときのニュースには、「何て恐ろしいことを!」と思いましたが、病気が原因で爪を切ろうとしただけで爪がはがれることがあるようです。

 広島少年院(広島県東広島市)の法務教官らによる在院少年への暴行事件で特別公務員暴行陵虐罪に問われ、無罪を主張している元首席専門官、向井義(ただし)被告(49)の「取り調べメモ」を、広島地検が廃棄していたことが向井被告の弁護団への取材でわかった。弁護団は17日、同メモの適切な取り扱いを求めた最高検の通知に違反するなどとして、最高検に調査を申し入れた。

(中略)

 最高検は08年、取り調べの状況が将来争いになる可能性があると捜査担当検事が判断した場合、(1)メモを公判担当検事に引き継ぐ(2)公判担当検事はメモを一定期間保管する――ことを刑事部長名で求めた。弁護団は取り調べ内容が争いになることが予想されていたのにメモを廃棄した対応は最高検通知に違反し、証拠隠滅罪にあたる可能性もあるとしている。

 弁護団副検事による脅迫的な取り調べがあったとして苦情を申し入れたのに、地検が調査をせずに「調査をしましたが、指摘の言動はなかった」とする回答書を出したことについても、虚偽公文書作成罪などにあたる可能性があるとして調査を求めている。

http://www.asahi.com/national/update/1018/OSK201010180039.html

 申し入れなどによると、公判では、証拠採用された向井被告の供述調書2通の任意性が争われ、弁護側が今年5月、取り調べメモの開示を請求。これに対し、地検は6月「メモは廃棄した」と回答した。

 弁護側は、逮捕前の取り調べが適切だったかどうか、地検側に調査を要請したところ、地検は「適切」と回答した。しかし、取り調べ担当の副検事は法廷で、「調査を受けていない」との趣旨の証言をした。

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20101018-OYO1T00911.htm?from=main2


昨日の記事から引用しました。元首席専門官、向井義さんの逮捕を受けた精神科医斎藤環氏のコラムをブログ「不登校ひきこもり」で紹介したことがありますが、無実の可能性が高いようです。発達障害の少年に「何をやってはいけないか」を教えるのは、暴力を体罰と称して正当化するわけではありませんが、普通の方法では効果がない場合があるということです。
http://blog.livedoor.jp/psw_yokohama/archives/51655932.html
http://d.hatena.ne.jp/sokaodo/20080725/p1