日本人の奇妙な宗教行動とクリスマスの起源


日本を訪れた外国人には、日常生活において宗教とは無縁に見える日本人が、正月になると大挙して神社仏閣にお参りする光景を目にして、びっくり仰天する人が少なくないと聞いたことがあります。


イスラム教徒は毎日メッカの方角を向いて礼拝し、キリスト教徒は毎週日曜日に教会に通います。ほとんどの日本人は、そのような日常的宗教行動はとらないので、外国人には「無宗教」に見えてしまうことがあるのです。


結婚式では司祭又は牧師の前で永遠の愛を誓い、葬式では僧侶に読経してもらい、正月には初詣に出掛け、クリスマスにはイエス・キリストの生誕を祝う。
このように様々な宗教を「つまみ食い」するような行動をとるのは、恐らく世界中で日本人だけでしょう。
山本七平氏が「日本教」という概念を提唱したようですが、これは日本社会の本質にも関わるようです。
http://www.ne.jp/asahi/ts/hp/file1_structure/file1000_structure_top.html


日本でのクリスマスは商業主義の色合いが相当濃いと思っていましたが、日本が取り入れた欧米のクリスマスも、近現代の商業主義の影響を少なからず受けているようです。


3日前(クリスマスイブ)にNHKで放送された「サンタがいっぱい 〜世界中から大集合〜」によると…
http://www.nhk.or.jp/dramatic/backnumber/185.html


サンタクロースは、キリスト教の聖人・聖ニコラス(Saint Nicholas)に由来する(実在した証拠はない)

1809年、ニューヨークの作家、ワシントン・アーヴィングが「オランダ移民によるニューヨークの歴史」という本を書いた。その中で、聖ニコラスを讃えるオランダの伝統にも触れた

詩人のクレメント・クラーク・ムーアが、この本をモチーフとして「クリスマスの前夜」という詩を書いた。これにより、聖ニコラスは一躍有名になった。1823年に新聞に掲載され、その後の10年間でアメリカ中に広まった。この詩が、「トナカイのそりに乗っている」「煙突から入ってくる」等の現在のサンタクロースのイメージを形作った

1863年、トーマス・ナストが描いたサンタクロースの絵が、雑誌に初めて掲載された。ナストの描くサンタクロースは、初め茶色の服を着ていたが、出版社が色に注意を払わなかったため、印刷されたものは赤みがかった色になり、やがて赤になった。ナストの「北極に住むサンタクロース」の絵により、「サンタクロースは北極に住んでいる」とされるようになった。「子供が欲しい物を手紙でサンタクロースに頼む習慣」もナストが広めた


この番組では18世紀以前のクリスマスについても触れていましたが、それについてはYahoo!百科事典に記載があるので省略します。
イエス・キリストの誕生日に関する記述は、聖書にもないそうです。
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9/
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%B9/


先月の世論調査によると、アメリカでは約8割の人が神の存在を信じているそうです。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/religion/2677723/5078833


今月、このブログで取り上げましたが、アメリカ人の約半数が進化論を否定し、聖書の「神による創造」を信じているとか。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20091211/p3


日本はアメリカ文化を輸入してきましたが、宗教に関するアメリカとの差異は相当大きいことを認識しておくべきでしょう。