民主党幹事長・小沢一郎氏の影響が強いとしても、それが本当に問題なのか


民主党幹事長・小沢一郎氏が総理大臣以上の影響力を行使している、と毎日のように繰り返すマスメディアにうんざりしています。


どのような組織でも、特定の少数の人物に権力が集中することは珍しくありません。民主党の現状も、そうなっているのかもしれません。でも、それが一生懸命にいま批判すべきことなのでしょうか。


「国民の利益になる政治を行なっていれば、一切批判するな」と言いたいのではありませんが、歴史的な政権交代が実現し、自民党政権下では行なわれなかった変革が進行しつつあるのに、その国民にとっての利益よりも圧倒的に大きな扱いで内閣総理大臣鳩山由紀夫氏及び小沢氏の負の側面が報じられ続けることには、嫌悪感しかありません。


その「負の側面」も、本当の問題はマスメディア及び捜査機関にあると思います。それについて、以前の記事でも取り上げました。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20091220/p1
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20091114/p1


ジャーナリスト・有田芳生さんのブログでの元編集者・五十嵐茂さんのコメントを引用します。

自分だけはスルーして立場を明らかにせず鳩山の普天間「迷走」を批判する。新聞ってこんなものだったの、ということですね

(中略)

旧永田町取材の水ばかり飲んできた政治部記者はあいかわらず古くなった政治取材スタイルでしか物を見れないということでしょう。だから、朝日新聞まで「小鳩」などという下品なタイトルを一面に麗々しく持ってきて疑わない。権力内部の抗争というパターンでしか記事を書けない人が中心記者を占めている

(中略)

もともと民主党を政権に押し上げた人たちは、別に絶対的基準で民主党を支持したわけではない。民主党自身が自覚しているように、自民党はもうダメ、それなら民主党以外ないか、という選択だったわけです。だからこれだけ情熱をそそいで鳩山政権叩きをやってまだ50パーセント前後を維持しているという事自体がすごいことです

http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2009/12/post_7675.html#comment-23852592


マスメディアは、今年の総選挙で一斉に「歴史的な政権交代」と報じましたが、その重みを理解していないのでしょう。


しかし、「民主党にも問題はあるが、政権を担うのは自民党より民主党が良い」と感じている国民が多いのではないでしょうか。世論調査での政党支持率は、民主党自民党を上回る状況が続いています。


16年前の非自民政権は、「親小沢」と「反小沢」との対立等により崩壊しましたが、その再現はないでしょう。現在は民主党衆議院単独過半数議席を持っており、16年前とは比べ物にならないほど安定しています。


天皇中国の国家副主席との会見の経緯についても小沢氏は非難されていますが、マスメディアには「本当は何を批判すべきか」を考え直すことができないのでしょうか。ジャーナリスト・田中良紹氏のブログにも考えさせられました。
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2009/12/post_202.html