血液型性格判断(11)


最近の血液型性格判断に関するWeb上の情報から。


韓国でも「血液型で人間の性格が規定される」という迷信が広まっていることは以前の記事で指摘しましたが、その浸透度は私の想像以上だったようです。

会話の糸口として、よく取り上げられる話題に血液型がある。血液型をテーマとした性格判断や、占いなどの書籍やテレビ番組も多く、韓国では2004年に公開された映画『B型の彼氏』やキム・ヒョンジュンが大ヒットさせた『B型の男』などによって、「血液型シンドローム」と呼ばれるブームが巻き起こった。今では日本と同様、血液型に関する話題は一般的なものとなっているという。

(中略)

韓国の女性たちが男性と付き合う時に、関心があることの一つが血液型だという。血液型をテーマにした映画をはじめ、韓国でも一つの文化として定着しているようだ

(中略)

人々は性格だけに限らず、規則性を探し出そうとする。規則性があれば予測しやすく安全に感じられるからだ

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0913&f=national_0913_010.shtml


精神科医中井久夫氏の指摘は、とても興味深いものでした。

千差万別なはずの人間の性格が、ABO型のように四つの分類で済まされるのはおかしい。なのに流通するのは、分類の「数の少なさ」自体が一つの根拠であるらしい。

(中略)

かつての日本では出身地=お国を尋ねることが対人関係を円滑にしたが、郷里を持たない都会人が増えるにつれ、血液型の話題に代わった

http://mainichi.jp/select/opinion/yuraku/news/20090911dde041070003000c.html


ドイツ人が抱く血液型性格判断への疑問。クリスチャンとしての信仰の部分以外は全く同感でした。

 私の知る限りドイツでは親しい友人と一緒に食事をしていても、血液型の話が出ることはなく、自分の血液型でさえ知らない人がほとんどでした。日本以外の国の人々にとって血液型は、病気で必要になった時に初めて知ることが多いようです。

 なぜ日本でこれだけ血液型占いが浸透したのか?と、この話題が出るたびに不思議に思うのです。

 まだ良く知らない人物ついて、その人の情報を前もって得ることで安心するという心理からなのでしょうか?

http://www.christiantoday.co.jp/main/column-news-562.html


産経新聞のWebサイトには、血液型性格判断の分かりやすい解説が。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090730/trd0907301821014-n3.htm


総合研究大学院大学教授・池内了氏の「子供の未来」への悪影響という指摘は、非常に重要だと思います。

 「人間の性格や能力は環境との相互作用で変わるはず。ところが血液型で人間を性急に判断してしまうと能力を発揮するチャンスまで阻害される。実際に血液型で社員をチーム分けした企業や、クラス分けをした幼稚園があると聞く。個人の遊びにとどまるうちは問題ないが、盲目的に過信すると就職や結婚での差別や偏見を助長する危険性もある。『単なるゲーム』だと甘く考えると、いつか取り返しのつかないことになる」

(中略)

 「一番怖いのは、子供の未来を摘んでしまうことだ。親が血液型と性格との関連を信じるあまり、子供のことを『B型だから協調性がない』『O型だから決断力がない』などと決めつけると、その思いこみが子供を枠にはめ将来の可能性を狭める恐れもある」

(中略)

 「何よりも子供への教育が第一。なぜ、どうしてと、人生の入り口でとことん物事を疑う態度を身につけさせることが大切だ。今の知識偏重型の理科教育では、理由を考えずに丸暗記するしかない。21世紀は以前より一層スピードが要求される時代だ。しかし、血液型性格判断のように手っ取り早く結論を出してわかった気になると、自分の頭で判断できない人間になる。物事の本質をじっくり立ち止まって考える姿勢を養っていくことが必要だ」

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090731/trd0907310748003-n3.htm


日本の情けない現実。
「『ABO血液型は科学的には性格を判断できる根拠がないと言われておりますが』などと述べるのなら、そんな商品を売るな!」と言いたくなってしまいました。「血液型時計」も併せ、不買運動を起こさなければとさえ思います。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=230500&lindID=5
http://www.gizmodo.jp/2009/08/post_6002.html