血液型性格判断(8)


信州大学准教授・菊地聡氏の名前を検索すると、血液型性格判断血液型性格診断)等に関する複数のWebサイトが見つかりました。


中国の「人民網」日本語版の記事で、「ブラハラ(血液型ハラスメント)」という言葉の存在を知りました。
この言葉は「血液型性格判断は差別だ」という認識を広めるために有効かもしれません。
アメリカの「ニューズウィーク」も日本の血液型性格判断ブームを批判していたようです。
アメリカ人はアメリカ人で「進化論否定」という迷信(信仰)にとらわれる人が半数近く居るという調査結果がありますが、日本血液型性格判断ブームへの「外圧」は大歓迎です。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2571436/3785758

日本社会に浸透する血液型信仰 「ブラハラ」の声も

 何型ですか? 結婚相手を探す時も、仕事を探す時にも、日本ではこんな質問がよくたずねられる。ここでいう「型」とは血液型のこと。日本人は血液型に対する強い迷信を持っているのだ。日本では時に、血液型が人の一生を左右してしまうこともあるという。AP通信の報道を「新華網」が伝えた。

 ▽関連書籍がベストセラーに

 日本最大の出版企業であるトーハンの統計によると、08年の日本のベストセラー10冊のうち、血液型に関するものは4冊を占めた。これらの本によると、A型は敏感な完全主義者だが、心配しすぎる傾向にある。B型は快活だが、自分勝手で変わっている。O型は好奇心が強く寛容だが、頑固なところがある。AB型は芸術家肌で神秘的だが、つかみどころがない。

 ▽生活に浸透した血液型決定論

 多くの日本人は血液型が性格を決めると信じている。立命館大学心理学研究室が行った調査によると、血液型が性格を決めると考えている人は日本の成年の80%に達した。

 そのため、結婚仲介会社は結婚希望者に血液型の相性度チェックを提供している。企業の一部は血液型に基づいて社員を採用している。一部の幼稚園では血液型によってクラスを分けている。北京五輪で金メダルを獲得した日本の女子ソフトボールチームでさえ、選手の血液型によって異なるトレーニングプランを取っていたという。

 血液型決定論は人々の生活の隅々にまで浸透している。日本の麻生太郎首相も、首相官邸のプロフィールに自分の血液型を「A型」と明示している。ちなみに、ライバルの小沢一郎はB型だ。

 任天堂からは血液型決定論の広まりを示すようなゲームソフト「みんなで自分の説明書 B型、A型、AB型、O型」が発売された。ゲーマーはさまざまな質問に答えることで「自分の説明書」を作っていくが、質問は血液型ごとに分けられている。

 ▽「ブラハラ」と非難の声も

 血液型決定論はもともと害のない楽しみにすぎない。だがこの迷信によって損害を受けた人々はこれを「ブラハラ(血液型ハラスメント)」と呼んで問題視し始めている。厚生労働省のある職員によると、同省の度重なる警告にもかかわらず、求人募集の際に血液型をたずねる会社は絶えない。「血液型と性格が関係しているという考え方はとても広まっているので、血液型を聞くことが差別につながるということを多くの人が意識しないのではないか」とこの職員は語る。

 信州大学の菊地聡・助教授によると、血液型は遺伝による抗原の違いにすぎず、人の性格とは全く関係ない。「血液型決定論は科学的でない。交流しないうちから血液型で他人を決めてしまうなんて、民族主義差別と一緒だ」。(編集MA)

 「人民網日本語版」2009年2月5日

http://j.peopledaily.com.cn/94475/6586646.html


ブラハラ・血液型性格判断について取り上げたWebサイトのURLを、以下記録しておきます。


http://www.laqoo.net/harass/blood.html
http://pinkopaque.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_50ae.html
http://kaigi.edublog.jp/39A204AB/
http://egt.tpot.tk/a/000921.html


http://d.hatena.ne.jp/Hummingbird/20041201/p2
http://d.hatena.ne.jp/summercontrail/20041129/ks
http://dando.exblog.jp/1284634/


血液型性格判断は一種の占いですが、占いの危険性を訴える記事も見付けました。


 最近、占い師に悩みを相談する女性が目立ちます。 駅ビルの占いコーナーや占いの館(やかた)、“OOの母”と呼ばれる占い師に並ぶ女性たち。鑑定中に泣いている姿も見られます。女性誌には、電話占いの広告が何ページも掲載されています。占いについて考えてみました。
 東京都の京子さん(32)は、恋人の態度が冷たくなったと感じたころから別れまでの約3ヶ月間に、占いに20万円以上を使いました。彼から連絡のない夜に不安が募り、女性誌に載っていた電話占いにかけてみたのが最初です。 「霊感、霊視で彼の本当の気持ちが見える、解決法がわかるといううたい文句に、わらにもすがる思いでした」 霊能者という女性に悩みを訴えると、「彼の気持ちを見てみますね」と5分ほど待たされ、「あなたのこと好きですよ。ただ仕事でいっぱいなの」と言われました。「目の前がぱあっと明るくなりました。そうであってほしいと願っていたからです」
 彼の気持ちをつなぎとめる接し方などアドバイスを受け、あっという間に30分が過ぎ、鑑定料は約5千円でした。これをきっかけに、仕事帰りに駅ビルの占いコーナーや占いの館にも行くようになりました。眠れない夜は電話占い。鑑定時間も長くなり、1回1万円以上になることも。電話代も月3万円を超えました。「鑑定結果はいいことばかりではないし、説教する占い師もいて、もっと落ち込むこともありました。自分の望むことを聞きたくて占いのはしごをしたり・・・」結局は彼と別れた京子さん。「現実に直面するのがこわかったんです。占いで不安を紛らわして、別れが少し遅くなっただけでした。占い師の言う通りに動いて、最後に自分らしく彼と向き合えなかったことも残念です」
 東京都内の駅ビルの占いコーナーに並んでいた佳子さん(39)は、この数ヶ月、毎週同じ占い師に会いに来ています。「先生(占い師)が好きだから」離婚後、一人で男の子を育てています。この夜は子ども連れでした。子育て、パートの職場での悩み、これからのことなど話を聞いてもらい、励ましてもらっているといいます。
 横浜市にある「めだかメンタルクリニック」には、精神的な病気なのに占い師を信じて病状が悪化した人や、占い師への相談を繰り返しながら何度も失敗をし傷を深めた人も通院しています。占い師の指示で薬を拒否する人もいます。同院長の上村順子医師は、「占いは麻薬と同じです。即効性のある鎮痛剤にはなりますが、根本的な治療には至りません」と話します。「占いは相手のすべてをわかっているかのように話し、こうした方がいいと行動を規制します。そのときは薬になりますが、実は人間の力を奪うことになります。考える力、悩みを抱えて生きていく力、主体性を奪っていくのです」
 心理学者で信州大学の菊地聡助教授は、よく当たる占い師がいたとしても、占い自体に問題があると言います。「占いは、相談者の人格や能力を見て判断するのではなく、霊能力やタロットカードといった不確かな評価基準によって相談者を判断し、その人の意思決定を促します。そして相談者が思考停止に陥り、占い師にコントロールされてしまう場合もあるという怖さがあります」 また、占いの無責任体制を指摘。例えば、相談者の悩みが虐待や暴力に起因する場合でも、占い師には、しかるべき社会機関につなげる責任がありません。「最近、占い師が自らを開運カウンセラーと称することがありますが、心理学・精神医学の専門家としての訓練も受けず、社会的責任も負わない占い師に、カウンセリングを受けることは危険です」
 占いにはまってしまうのは、ほとんどが女性だといいます。その背景を上村医師は「家庭でも職場でも大事にされず、不安や寂しさを受け止めてもらえないで、孤立感を深めている女性が多い」と分析します。夫は仕事にかまけて話も聞いてくれず、家族に料理を作っても当たり前のこととして感謝もされない主婦。男性に囲まれた職場で「やっぱり女はダメだ」と評価されるのが怖くて、弱音を吐けないキャリアウーマン。「占い師に『よく頑張ってるね』『大変さはよくわかるよ』と声をかけられると、飢えている心が渇望していたものを与えられて、ピタッとはまるんです」
 悩みを抱えているときの過ごし方について、上村医師は次のようにアドバイスします。「心を開いて話せる相手を何人か確保すること。友人以外にも、医療機関のカウンセラーにかかったり、同じ悩みを抱える人たちの自助グループに参加するのもいいですね。自分を心地よく楽しませる方法をたくさん持つこと。趣味、ボランティア、自然の中でくつろぐなど、少しずつ分散して不安を解消しながら、時間をかけて問題を解決していくことが必要です」

http://homepage3.nifty.com/jwil-helpcult/karuto/k0502.html


精神的な病気なのに占い師を信じて病状が悪化した
占い師への相談を繰り返しながら何度も失敗をし傷を深めた
占い師の指示で薬を拒否する
「占いは相手のすべてをわかっているかのように話し、こうした方がいいと行動を規制します。そのときは薬になりますが、実は人間の力を奪うことになります。考える力、悩みを抱えて生きていく力、主体性を奪っていくのです」
「占いは、相談者の人格や能力を見て判断するのではなく、霊能力やタロットカードといった不確かな評価基準によって相談者を判断し、その人の意思決定を促します。そして相談者が思考停止に陥り、占い師にコントロールされてしまう場合もあるという怖さがあります」
「最近、占い師が自らを開運カウンセラーと称することがありますが、心理学・精神医学の専門家としての訓練も受けず、社会的責任も負わない占い師に、カウンセリングを受けることは危険です」


これらの指摘は非常に重要です。
薬を拒否させるのは、まるで自称カウンセラー長田百合子」のようです。
全ての「心の病」が薬で治るわけではありませんが、薬を飲まなければならない病気はあるのです。
「心理学・精神医学の専門家」にも問題のある人物は居るので注意が必要ですが、占い師に頼るよりリスクは少ないはずです。