血液型性格判断(2)


今朝のフジテレビ「めざましテレビ」で「ブランド福袋」を取り上げていました。
ほとんど興味の無い話題なので「ながら視聴」だったのですが、あるブランドが取り揃えた「血液型別の4種類の福袋」には呆れました。


外科手術又は輸血のとき以外に必要の無い(ABO式)血液型という情報を、福袋にまで持ち込むとは!
かなり腹立たしい思いになりました。


最近、血液型性格判断の本が書店で並べられているのを目にすることが多かったことを思い出し、トーハンの今年の年間ベストセラーを調べてみると、上位10冊のうち「Jamais Jamais」氏という人物による血液型性格判断の本が、何と4冊も含まれているのです。
第3位〜第5位が「B型自分の説明書」「O型自分の説明書」「A型自分の説明書」で、「AB型自分の説明書」が9位。日本人では最も割合の低い血液型がAB型(約1割)なので、「AB型自分の説明書」の売り上げも相対的に少なかったのでしょう。
http://www.tohan.jp/cat2/year/2008_1/
amazon:Jamais Jamais


Amazonの「著者略歴」によると、「東京都に生まれる。大学の工学部をリタイア後、美大の造形学科でリスタートを切る。現在は建築設計を生業としている」とのことでした。やはり、心理学を学んでいないのでしょう。
Amazonでは、本の一部を読むことができます。以下は「A型自分の説明書」からの引用ですが…

ページをめくるその前に、「あくまでA型の傾向っぽい」と頭で唱える。
じゃないと「違うよこれ。当たってない」とムキになります。

さて、まずはご一読。冷静さは捨てましょう。


もちろん「A型の傾向」の箇所は、「B型自分の説明書」ではB型、「O型自分の説明書」ではO型になっているのですが…
まるでマインド・コントロールです。
このような本がベストセラーになるとは!
日本社会の危険性を改めて痛感させられました。


以前の記事「血液型性格判断(1)」でも述べましたが、心理学では様々な実験の結果から「血液型と性格は無関係」というのが常識になっています。
中国台湾及び韓国でも血液型性格判断を信じる人が多い」という情報もありますが、科学的根拠の全く無い血液型性格判断は、世界中のほとんどの国・地域で「迷信」「非常識」とされるはずです。


「2匹目のドジョウ」を期待したのか、別の著者による「全血液型の〈裏ワザ〉取扱説明書」などという本も出版されています。
Amazonの「著者略歴」によると、「『とくダネ!』(フジテレビ系)の『血液型選手権』を監修」しているとのこと。
またまたフジテレビです。


フジテレビは、放送倫理・番組向上機構(BPO)の「『血液型を扱う番組』に対する要望」を無視しているのでしょうか。