なぜ疑似科学やオカルトを盲信するのか


私は、ふたつのブログで疑似科学及びオカルトを批判してきました。

http://blog.livedoor.jp/psw_yokohama/archives/51030476.html
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20070629
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20070630
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20070719
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20071009
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20071016
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20071125
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20080125
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20080830


学校では、ただ覚えさせるだけの「詰め込み教育」が中心で、メディア・リテラシー又はオカルト情報に関する教育は全く欠如している状況が続いているのでしょう。
それが、様々な情報を鵜呑みにしやすく、オカルトに免疫の無い人間を「大量生産」する。
その土壌に、マスメディアが疑似科学又はオカルトの情報という種を大量に蒔き続ける。
私がこれまで指摘してきたことです。


最近、それを裏付けるような内容のWEBサイトをいくつか見付けたので、その一部又はURLを、記録を兼ねて以下引用します。

霊視や前世占い、占星術といった「スピリチュアル(精神的な、霊的な)世界」がブームだ。それらを扱うテレビ番組は軒並み高視聴率を獲得し、ベストセラーになる出版物も多い。だが、中には疑似科学やオカルト現象を妄信し、だまされて被害にあう人もいる。科学の視点で批判してきた立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんは「『思い込み』と『欲得ずく』が錯誤への落とし穴」と注意を呼びかける。

(中略)

「人間は、だまされやすい」ということを肝に銘じるのが大切であって、一番危ないのは「私だけは、だまされない」という「思い込み」と指摘する。

(中略)

もし霊が目に見えるのならば、霊そのものが光を発しているか反射しているはず。「たたる」には記憶や認識といった高度な仕組みを持った有機体でなければならない。霊を信じるかどうかは個人の自由だが、「科学的な意味では存在し得ない」と断言する。

科学技術が進歩したこの時代に、人はなぜ、「スピリチュアル」にはまるのか。安斎さんは、それこそ、「なぜ」と問う力が弱まっているからだと嘆く。

例えば、携帯電話やDVDの仕組みは、説明されても理解するのが難しい。科学が進歩したがゆえに、人は自分の理解の範疇(はんちゅう)を超えたものをそのまま受け入れてしまいがちで、それが超能力などを簡単に信じる傾向となって表れていると説明する。

「ささいなことでも、『なぜ』と意識的に問い直してほしい。その背景には必ず理由があるのだから」

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081121/sty0811210813001-n1.htm

今、巷では、占いや霊視など、いわゆるスピリチュアルな話題がとても流行しています。テレビでも、江原啓之さんや、細木数子さんなどが登場する、この手の番組が高視聴率を叩き出していることは、今さら言うまでもないでしょう。

このスピリチュアルな話題を特に好む世代がいます。40代の女性たちです。博報堂生活総合研究所が2006年に実施した「生活定点」調査では、40代女性の関心が超自然的な話題に向いていることを示すデータが出ています。

例えば、「霊魂を信じる」「来世を信じる」と回答する40代女性は、いずれも半数近くに達しており、女性全体の割合よりも10ポイント近く高い結果になりました。「来世を信じる」「超能力を信じる」という回答は、10年前の40代女性に比べても格段に増えています(図1)。10年前には3割に満たなかった40代女性の「来世を信じる」という回答は、実に今回は48.3%に達しているのです。「超能力」については「来世」ほどではないですが、それでも10年前よりほぼ10ポイント増加しています。

超自然的な話題に魅かれる40代女性が急増している理由は、もちろんテレビ番組をはじめ、最近のメディアで多く取り上げられるようになったということもあるでしょう。でも、それだけではなさそうです。ユリ・ゲラー以来、超自然的なもののブームは、わいては消えを繰り返していますが、40代女性は、10年前に同じ年代だった女性たちよりも「見えないもの」を信じるようになっています。

(中略)

仕事に疑問を持ち始め、私生活でも悩み始めた不安定な40代女性は、何か今後の人生の指針となるようなものを求め、それが「見えないもの」にすがりつきたいという思いにつながっているのではないでしょうか。調査結果を総合すると、ここに40代女性がスピリチュアルな話題に魅かれる大きな理由があるようです。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20070703/128879/

現在のスピリチュアルブームの背景には、宗教団体が言葉を失っていることがあると思っています。独特な専門用語や、独特な実践などを、分かりやすく伝えるアピールがうまくできていません。本来、生きがいや人生の価値、生の実存的意味を考える人々が拠り所としてきたのは宗教でした。でも、現代の日本では宗教を選ぶ人が、あまり多くありません。宗教に関する意識調査では、「私は宗教を持っています」と答える人は2〜3割。「宗教は持たないけれど、宗教的なことに関心がある」という人は1割くらい。残りの半分以上は「宗教に関心がないか、嫌い」なのです。

人々は、心の拠り所を求める時に、宗教という引き出しがあることを忘れ、さらに忘れていることすら忘れています。最初から選択肢に入っていない。ただ、「どうして生まれてきたのか」「死んだらどうなるのか」といったことを含めて、合理的な世界の外に対する問いかけを人間は常にもっているものです。そこを、うまく宗教団体が掬い切れていないので、宗教難民化しています。

人間の哲学的欲求、宗教的欲求はなくなりませんから、その欲求は何らかの形で必ず噴出する。それが最も表面的に目立っているのが、50万人とも言われる江原啓之さんの熱心なファンでしょう。このほか、超自然的なものや癒やし関連を集めた見本市であるスピリチュアルコンベンション(すぴこん)も活況です。入場料や会場の中で遣う金額を考えると、決して安くないにもかかわらず、各地で多くの入場者を集めています。

こうしたブームは、これまでも何度もありました。1970年代のユリ・ゲラーやスプーン曲げ、80〜90年代にかけての宜保愛子織田無道サイババなどを覚えている方は少なくないでしょう。政治学者の丸山眞男さんが指摘したように日本人は「思い出の人たち」なので、歴史的意識が強くない。だから、「かつてブームがあったのだから、今さら」とは思わないのかもしれません。

近年で言えば、1995年のオウム真理教の事件の後、数年はスピリチュアルなものに対して、社会はものすごくトーンダウンしたのです。宗教への関心も減りました。大学で宗教学の講義をするのも大変だったほどです。でも、事件から12年たって、今や空前のヨガブームが起きています。

飽きては忘れる。でも水面下では広がっていて、また盛り返すということを続けているのです。ですが、今回のブームは、これまでよりも長く続くかもしれないと感じています。守護霊や前世といった表面的に見えているブームは、スピリチュアルの大きな流れの中のほんの一例に過ぎないからです。もっと様々な分野の大衆文化を広い視点で観察しないと、スピリチュアルに対する認識を誤ることにつながりかねません。

(中略)

日本は、世界でも特殊なスピリチュアル文化を持つ国です。宗教という1つの分野だけを見ても、宗教法人が17万あり、そのうち新興宗教だけでも3000もある。東京に来れば世界のエスニック料理のほとんどを食べられるのと同じように、日本に来れば世界の宗教のほとんどを体験できます。その多様性から「宗教学は日本で始まるべきだった」と話す宗教学者もいるほどです。

【インタビュー】慶応義塾大学准教授、樫尾直樹氏に聞く


http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080126/acd0801261421006-n1.htm

http://www1.doshisha.ac.jp/~yshibana/etc/blood/archive/index.html