バラク・オバマ氏、圧勝(3)


追記の追記です。

(1)バラク・オバマ氏の得票率は53%。投票率は6割を超え、戦後最高に近いと見られています。
CNNの出口調査によると、オバマ氏に投票した人の割合を人種別で見るとアフリカ系(黒人)が95%、ヒスパニックラテンアメリカ)系が66%、アジア系が61%、ヨーロッパ系(白人)が43%。ヨーロッパ系の55%はマケインに投票。これは、差別の根深さでしょうか。年齢別では、29歳以下の66%がオバマ氏を支持したとのこと。
(2)連邦議会(上院及び下院)選挙でも民主党が勝利しました。しかし、ブッシュ政権で過去最大になった財政赤字が、金融危機に対処するオバマ氏の足かせになりそうです。イラク戦争で莫大な戦費を投じたことなどが原因です。その点でも、ブッシュがイラク戦争の開戦に踏み切ったことは、決して許されないと思います。
(3)オバマ氏は、「黒人初の大統領」ではなく、「非白人初の大統領」でしょう。
「人種のるつぼ(メルティングポット)」ラテンアメリカでは「ムラート」(ヨーロッパ系とアフリカ系の混血)、「メスティソ」(ヨーロッパ系と先住民族インディヘナの混血)という人種概念が存在します。
ラテンアメリカのブラジル(主に白人、ムラート及びメスティソで構成される)、メキシコ(国民の9割がメスティソ又は先住民族インディヘナ)などと異なり、アメリカ合衆国では異なる人種が結婚することはあまり無かったようです。
アメリカ合衆国の社会も「人種のるつぼ」と言われていましたが、実際はそうではなく「人種のモザイク」だということです。
そのため、アメリカ合衆国の人種区分の概念は「ヨーロッパ系、アフリカ系、ヒスパニック(ラテンアメリカ)系、アジア系、先住民族ネイティブ・アメリカン)」という「混血」をほぼ無視したものになってしまったのではないでしょうか。
この区分に、オバマ氏を当てはめようとすると、いまのアメリカ社会では「アフリカ系」と見なされるのでしょう。