ジャーナリスト・有田芳生さんの「有田塾」(2)


昨日、ジャーナリスト有田芳生さんの第3回「有田塾」(新党日本主催)に出席しました。

先月の第2回は、別の用事があったため参加できず、2カ月ぶりに有田さんにお会いしました。


小説家・服部真澄さんの講演に続き、服部さんと有田さんの対談が行なわれました。

質疑応答なども含め、全体で約2時間。

服部さんの講演内容の概要は、有田さんのブログをご覧ください。

以下、昨日の服部さん及び有田さんのご発言の要旨をご紹介しますが、一言一句正確に記憶しているわけではないことを予めご了解ください。


「今の日本には、様々なセーフティーネットがある。経営する会社を2回倒産させて、それでも3回目の起業をした人も居る」

「おカネで自殺することは無い。おカネで自殺するのは、あまりにも命がもったいない」

服部さんのお話で、最も強く印象に残っている部分です。

私は、生活保護制度を、10年くらい前までは存在すら知りませんでした。

また、生活保護以外にも公的扶助制度は存在しているのですが、それも、精神保健福祉士の養成校で「公的扶助論」を学んで初めて知ったことです。

様々なセーフティーネットの存在を知っていれば失われなかった命は少なくないかもしれません。

行政の消極的姿勢が周知を阻害しているような気がしています。


「フィクションとノンフィクションの違い」についてもお話がありました。

服部さんも、ある程度現実に基づいてフィクションの世界を構築しているので、その仕事内容は、ノンフィクションライター(有田さんなど)と共通する要素が少なくないのでしょう。

「インターネットで誰もが記者のように自分で記事を作成し公開できるということは素晴らしいが、プロのジャーナリストのように『情報の取扱いの訓練』を受けてはいない人の発信する情報は必ずしも正確とは限らないということに注意しなければならない」という服部さんのご発言からは、ジャーナリストに必要なメディア・リテラシーをお持ちだということが分かります。

出版社には校閲(校正、ではない)の部門があって、原稿の内容を「『○○年○月○日○曜日』が本当にその曜日なのか」など、徹底的にチェックしているそうです。

多大な労力を要する校閲を行なわないまま世に出る出版物も相当あるのではと思っていますが…

「ノンフィクション」とされているものでも、その記述の根拠を第三者が確認できなければ、実はフィクションである可能性を考えるべきでしょう。


服部さん・有田さんの対談及びその後の質疑応答では、自然に政治に関する話題も出ました。

「看護師・介護士不足を解消するために多数の外国人労働者を受け入れること及び税収不足対策として消費税増税を検討する政治家が居るが、既存の社会構造を見直そうとしていない。政治哲学が欠如している」と有田さんが仰ったことには、ハッとさせられました。

私も、「現在の状況を見直さず、『不足していれば、それを補充する』」という安易な発想をしていることがあったからです。


有田さん曰く新党日本は大変な緊縮財政」とのことでしたが、昨日も参加費は1,000円の激安価格。それで資料も配るのですから、有田さん及び服部さんは、ほぼあるいは完全にノーギャラでしょう。

「稼げる」テレビの仕事を蹴って、毎週街頭演説を行なうなどの政治活動を選んだ有田さん。

有田さんの「社会貢献を目的とした『ただ働き』生活」は、しばらく続きそうです。