生活の党は、なぜ惨敗したのか


参議院選挙は、昨年の衆議院選挙に続いて、ほぼ最悪の結果になりました。
「正しいこと」を言っていても、大変な努力を続けていても、独自の特長をアピールできなければ選挙に勝てない。その当たり前の現実を、改めて突き付けられました。


大部分のマスメディアは、自民党が推し進める憲法改悪およびTPP交渉参加にどれほどのリスクがあるかをほとんど伝えず、「アベノミクス」を繰り返すばかり。アベノミクスという言葉を用いて「従来とは異なる、効果的な政策」のイメージを膨らませること自体が、安倍政権の提灯を持つことだと思います。
これでは、自民党は負けません。


野党は「自民党と同様の政策を掲げる政党」「自民党とは明確に異なる政策を打ち出している政党」に大別されますが、前者(民主党日本維新の会みんなの党)を自民党の代わりに選ぶ有権者はそう多くはないはずで、後者(生活の党社民党みどりの風など)は類似した政策でも別々に選挙を闘い共倒れとなってしまいました。
自民党の圧勝は、誰もが予想した結果でした。


私がボランティアで支援した生活の党は、ひとつも議席を獲得できませんでした。
「せめて、森ゆうこさんおよび三宅雪子さんだけでも当選してほしい」と願っていたのですが、本当に悔しい思いです。


生活の党は、ハンディキャップを抱えていました。
日本未来の党の分裂に伴い昨年末に結成されたばかりで、党名すら有権者に周知させることができたとは考えにくいこと。
「人物破壊」の標的とされてきた小沢一郎氏が代表(党首)を務めていること。
http://togetter.com/li/429673
http://togetter.com/li/441741


「ゼロから」ではなく「マイナスからのスタート」だったのです。
しかも、ほとんどのマスメディアが自民党の提灯持ちとなり、多数の政党が乱立する状況下で「生活の党を選んでもらう」ためには、特別な手立てが必要だったはずです。


「生活を守る」が生活の党のスローガンでした。
それは「最も政治に求められることだ」と私は思いますが、共産党および社民党が長年繰り返してきたスローガンに酷似しています。「共産党および社民党と同様の陳腐な表現だ」としか思えなかった有権者が多かったのではないでしょうか。
「マスメディアが高く評価するアベノミクスこそが、国民の生活を守ってくれる」と考えている有権者に対して、説得力があったでしょうか。
共産党および社民党に「実現困難な政策を無責任に打ち出すだけで、政権担当能力のない政党」というイメージを持つ有権者は、生活の党にも、そのイメージを重ねてしまったのではないでしょうか。


他党とは異なる「キラリと光る表現」を用いるべきなのに、「生活を守る」では埋没してしまう。
そのように危惧していたのですが、案の定でした。
アベノミクスの実体には様々な問題がありそうですが、「新しい政策」(実体は昔の自民党の政策?)という「攻め」のイメージです。「守り」のイメージで対抗するのは、不利だったのではないでしょうか。
このような生活の党を敵視する勢力が、選挙でわざわざ不正を働くことは、やはり考えにくいです。
http://d.hatena.ne.jp/psw_yokohama/20130107/p1


所属議員数の減少により、政党交付金が更に減額されてしまう生活の党。昨年の総選挙で抱えた借金が、今回の参議院選挙で更に増えてしまうはずですが、返済できるのでしょうか。
今後も、企業・団体献金など期待できず、再起は一層困難になってしまったと言わざるを得ません。


それでも、小沢氏が語るように、自民党に対抗する勢力を結集できれば、3年後までに再び「非自民による政権交代」を実現することは不可能ではありません。4年前の民主党も、昨年の自民党も、その前の総選挙での大敗からの大逆転だったのですから。
私が応援してきた三宅さんが述べられている通り、「止まってしまったら終わり」「前に進んでいくしかない」のでしょう。
https://twitter.com/miyake_yukiko35/status/359157704327036928